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[管理栄養士養成課程]

学科トピックス

大学食物学科~五輪メダリストらトップアスリートからスポーツ栄養学ぶ~

2021年06月30日 食物学科

6月25日(金曜)、食物学科3年生「応用栄養学実習」と食物学科1年次セミナーの授業で、アトランタ五輪サッカー代表の松原良香氏、女子野球クラブチーム「新波」の代表を務める石田京子氏、リオ五輪柔道女子70キロ級金メダリストの田知本遥氏、元楽天イーグルスアカデミーコーチ石田悠紀子氏の4名が講師を務め、「トップアスリートに学ぶスポーツ栄養」というテーマで講演及びフォーラムを実施しました。

 

講演の様子

 

昨年度、松原氏、石田京子氏、田知本氏にオンラインで講師を務めていただきましたが、今年度も同様に新型コロナウイルス感染拡大状況により、オンラインでの実施となりました。

<昨年の様子はこちら>

また、岡山県内に在住の石田悠紀子氏につきましては本学にご来校いただきました。

 

まず第1部として、“コンディショニング作り”―怪我予防-をテーマに、石田京子氏、田知本氏、松原氏それぞれのお話を聴きました。

 

石田氏の写真

 

石田京子氏は、「女性アスリートの三主徴」である「利用可能エネルギー不足」「無月経」「骨粗鬆症」をあげ、その中でも「利用可能エネルギー不足」について、「昔は精神的な要因で摂食障がいとして扱われていたが、現代では栄養摂取状況が原因で誰にでも起こりうることとして認知されている」と話されました。

※「女性アスリートの三主徴」とは、継続的な激しい運動トレーニングが誘因となり、それぞれの発症が相互に関連し女性アスリートにとって重要な問題です。

 

また、科学的な考えに沿っておらず精神論のみで合理性に欠けるスポーツ指導が今も残っている状況について触れ、「成長期に必要な食事や休養が十分にとれていない指導が見られる」と指摘されました。

 

最後に学生たちへ、「コンディショニング作りは食事と栄養の視点からも見直していく必要があるため、みなさんの発想でどんどん発展させていってほしいと思います。」「今学んでいる知識を、知識だけで終わらせるのではなく、現場で本当に必要とされている情報を伝えてほしいです。また、資格を取ることだけがゴールではなく、学び続けて、周りにいる人を食の分野から幸せにしていってもらいたいと思います。いつまでも応援しています。」とメッセージが贈られました。

 

 

田知本氏の写真

 

田知本氏は、現役時代どのようなことに気をつけて競技を行っていたのかという話題から始まり、「痛めつけるだけではなくケアするまでが練習です。コンタクトスポーツは怪我が付きもので、怪我をしないことが選手の強みにもなります。」と話されました。

 

また、「子どもの頃から好き嫌いが無く、お菓子は好んで食べていませんでした。また、サプリメントは必要な時に飲んでいた時期もありますが、基本的には食事からの栄養補給を心がけていました。」と自身の食生活について説明されました。

管理栄養士との関りでは、「ウェイトコントロール中のアドバイスを受けたり、柔道は1日に4~5試合行うことがあるので、いかに効率よくエネルギーを摂取するかアドバイスをもらったりしていました。人それぞれ合う合わないがあると思いますが、カステラを取り入れていました。」と話されました。

 

さらに、オリンピック時期に誕生日を迎えた際、管理栄養士が豆腐とヨーグルトが材料のケーキをサプライズで作ってくれたというエピソードの紹介があり、「管理栄養士とは信頼関係を築いており、精神面でも大きな存在でした。ほっとさせてくれて、オンオフを切り替えれる場所を与えてくれていました。」と話されました。

最後に学生たちへ、「知識を身に付けるのも大切なことですが、コミュニケーションをとって信頼関係を築くことも大切にしてもらえたらと思います。」とメッセージが贈られました。

 

 

松原氏の写真

 

松原氏はまず、「管理栄養士が介入していなかった時期は、とにかく食べてエネルギーを摂るという考えしかありませんでした。管理栄養士はどのタイミングで何を摂れば良いか教えてくれた存在でした。」と管理栄養士とのエピソードに触れ、「様々な国でサッカーを行ってきましたが、どの国も日本ほど食事にバリエーションがなく、中には試合の合間に肉を焼いて食べる国もありました。海外でのプレーは、食事をその国に合わせること、あるいは自分にベストなものを選択することの難しさを感じました。」と自身の経験談を話されました。

 

最後に学生たちへ、「これからの時代は選手だけが活躍するのではなく、サポートする人も重要な存在であり、みなさんも海外のコンディショニングに目を向けて日本がレベルアップするよう学んでいってもらいたいです。選手や監督、管理栄養士等が一体となり、世界基準で知識を深めてもらいたいと思います。」とメッセージが贈られました。

 

学生の様子

 

質疑応答では、学生たちは「現役時代から今も食生活で気をつけていることは?」「栄養士のサポートが入り身体にどのような変化が起こったか?」「試合前にプレッシャーに打ち勝つ方法は?」等、さまざまな質問をしていました。

 

 

 

第2部では元楽天ゴールデンイーグルスアカデミーコーチの石田悠紀子氏にご講演いただきました。

石田悠紀子氏は2021年より備前市地域おこし協力隊として岡山県備前市に移住され、備前サンラッキーズという女子硬式野球クラブチームの監督をされています。

2014年2016年には侍ジャパン女子代表選手として出場し、WBSC女子野球ワールドカップの5連覇に貢献され、2019年からは楽天ゴールデンイーグルスアカデミーコーチとしてジュニアアスリートの育成をされておりました。

 

講義する石井悠紀子氏の様子

 

石田悠紀子氏は自身の経験を交え、中学校・高校・大学の食事内容を教えていただきました。

中学校・高校ではとにかく量を食べることが中心で、栄養面はあまり考えていなかったが、日本体育大学への入学をきっかけに他のアスリートからの刺激や、大学の先生からの講義などから、自分に合った栄養摂取方法を考えるようになったそうです。

また、ご自身の食物アレルギーのこともあげられ、栄養管理は個別性が大事であると述べられました。

ジュニアアスリート育成については、家族や周辺の協力の重要性や栄養指導に関して子どもが興味を持てるような指導の工夫の必要性等を話されました。

 

質問する学生の写真質問する学生の様子

 

石田悠紀子氏の講演後は、再度松原氏、石田京子氏、田知本氏にオンラインでご参加いただき、4名の講師の先生方にも学生たちからの質問に答えていただきました。

「試合前や間などの食事のとり方について」「学校の授業での体育のあり方について」「選手引退を考えるきっかけについて」などありとあらゆる学生からの質問に、ひとつひとつ丁寧にお答えいただきました。

 

最後に代表学生4名が講師の先生方の話をふまえて、今後管理栄養士を目指すうえでの目標や感謝の言葉を述べました。
トップアスリートの体験や考えを直接聴くなど貴重な経験をし、意欲のあがる有意義な時間となりました。

 

 

 

 

 

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