学科トピックス
真壁昇客員准教授より“創傷における栄養の基本”“NST”などについて学ぶ
2020年10月06日 食物学科
9月26日(土曜)、本学100周年記念ホールにて食物学科3・4年生を対象に、真壁昇客員准教授による講義が開かれ、「創傷における栄養の基本とNST」をテーマに、チーム医療における管理栄養士の役割や、褥瘡などの創傷の予防・治癒法などについて学びました。
真壁先生は現在、関西電力病院疾患栄養治療センター部長兼栄養管理室長を務め、先端チーム医療の現場で管理栄養士として勤務されており、15年前(2005年2月)から本学で講義をしていただいております。
まず真壁先生は、「医療の学問は日進月歩であり、医療の高度化と高齢化やチーム医療の推進などで、特にこの20年間で大きな医療環境のパラダイムシフトが起きている。」と指摘し、高度技術を有する専門家の育成が望まれている現状について話しました。
また、関西電力病院の概要や、チーム医療の体制、NST介入後の維持・改善状況などの説明があり、「医療の質を担保するためには、一人ひとりの患者にチーム全員が揃って対応することは現実的に難しいため、協働しお互いのスキルを学び合うことによって、1職種で他の職種の役割をカバーする『一人多役』を務める資質を備えることが重要である。」と訴えました。
褥瘡については、様々な事例の写真を見ながら、「褥瘡は治るものであり、いかに予防し、早く治すかである。」と強調し、栄養面からのサポート、体圧の分散等、具体的な治療法を説明しました。
最先端の現場で勤務する管理栄養士の生の声を聞き、これから国家試験の勉強や就活を行う学生にとって、意欲の高まる時間となりました。
真壁先生より、「地方で活躍する管理栄養士への期待」について
「わが国は世界で最も高齢化が進み、国民の健康寿命の延伸のための食生活が大きな課題になっています。とくに地方における高齢化は顕著であり、地方の食文化を取り込んだ豊かな食生活への提言が求められるなか、このキーを握るのは栄養のプロフェッショナルである栄養士および管理栄養士です。栄養学のみならず基礎医学を修得した栄養士と管理栄養士にしか出来ないことがあるのです。今、健康寿命の延伸に向けた栄養学的アプローチが始動したところです。」
とコメントをいただきました。