学科トピックス
~食品ロスについて考える~“地域を学んでのこさずたべよう事業”で原田佳子特任教授が講演
2020年11月25日 食物学科
11月21日(土曜)、食物学科原田佳子特任教授が「令和2年度 地域を学んでのこさずたべよう事業(岡山県事業)」の一環で、広戸小学校(津山市市場)にて『みんなで減らそう食品ロス』と題した講演を実施しました。この日、広戸小学校では学習発表会が開催され、生徒の保護者が聴講しました。
講演は、まず食品ロス度チェックから始まり、「必要な時に買い物に行く」「食べきれる量だけ作る」「保存した残りものは忘れず食べるようにしている」等の13項目を、受講者は日常を思い浮かべながらチェックしました。
また、原田先生は「日本では年間約612万トンの食品廃棄物が出ており、毎日一人がご飯139g(おおよそお茶碗1杯分)廃棄していることになります。」と強調し、日本の食品ロスの現状を説明しました。
フードバンクに寄せられる食品についての話では、袋が少し切れたお米、カット野菜の切れ端、パッケージが変わったソースなど、商品としての価値がなくなっただけで、品質には問題がなくまだ食べられるものなどの紹介がありました。
※フードバンクとは、包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体のことをいいます。
世界に目を向けた話では、地球資源や製造にかかる経費や労力が無駄になること、焼却にかかる費用には税金が使われることなどを課題として上げ、さらに、食品ロスについては『SDGs』においても特に重点が置かれ、世界的に取り組まれている話題にも触れながら食品ロス削減の大切さを訴えました。
その他、食品ロスが発生する原因として「調理時に食べられる部分を捨てる過剰廃棄」「食べ残しによる廃棄」「冷蔵庫で賞味・消費期限が切れての廃棄」などを指摘し、また、食品ロスを減らすための工夫として「買い物の前に冷蔵庫内を確認する」「お店では食品棚の手前(賞味期限の近いもの)から購入する」「野菜の芯なども調理する」などを上げました。
最後に、「食品ロスの量は膨大です。私たち一人一人が食品ロスを出さないこと、そして、出たとしても有効活用することが大切です。日常生活の中で意識的に心がけ、周りの人たちに伝えていくことで食品ロス削減につなげていければと思っています。」と締めくくりました。
受講者からは、「日々の生活を考えると直さなければいけないことが沢山あることに気づきました。今日から心がけて食品ロス削減に取り組みたいと思います。」といった感想がありました。
また、広戸小学校の御藤善子校長より、「今年6月から美作大学の学生と共に野菜やお米作りなどを行っていますが、小学生たちも食品ロスに対しての意識が芽生えてきており、この事業をきっかけに給食の残食が減ってきています。」と嬉しいお言葉もいただきました。