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食の分野

食物学科

[管理栄養士養成課程]

実務で生きる栄養強化食品の活用とコミュニケーション~大学食物学科4年生がメーカーとの協働について学ぶ~

2018年12月25日食物学科

12月19日(水曜)、大学食物学科4年生が、低栄養状態の栄養摂取における栄養強化食品の利用について、株式会社ファイン(大阪市)で商品開発を担当する川崎氏を招き、特別講義を受講しました。

 

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食物学科の学生がめざす『管理栄養士』は、病院や施設において、十分に栄養摂取ができない低栄養状態の方々に対して、『栄養管理』を積極的に行っています。この低栄養状態の改善には、十分な栄養素投与が必要となります。

そういった方々の多くは、摂取分量自体が少なく、通常の食事などでは低栄養状態を改善することができない場合が見受けられ、栄養強化食品を利用しています。

栄養強化食品開発で栄養状態改善の実績がある商品を取り扱う株式会社ファインで、実際に商品開発に携わる川崎氏より、実践的な栄養管理で活用される栄養成分「3-ヒドロキシイソ吉草酸(HMB)」について、説明がありました。

 

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川崎氏は、「HMBは、スポーツ栄養でも近年頻繁に活用されている筋肉増強効果や筋肉減少抑制効果が高い栄養素です。加齢にともない低下する筋肉タンパク質、それを補うためにタンパク質を積極的に摂取することになります。しかし、筋肉タンパク質を増加させるために活用できるタンパク質の量や速度には限界があります。HMBは、筋肉タンパク質の合成を促進させる働きがある物質であることが研究によって明らかになっています。摂取することで効率よく筋肉タンパク質を増加させることができるんです。」と資料を示しながら話しました。

日本国内でも2010年頃から、このHMBを含有したサプリメントが多く販売されています。

 

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独特の臭いがあり、直接摂取するには若干の抵抗があるHMBをしっかりと摂取してもらうために、商品開発において、豆乳を主成分とした粉末ミルクとHMBを混ぜて飲みやすく工夫した点を紹介しました。

学生たちは、川崎氏が開発した『パワーソイミルク』を試飲し、商品の味を確かめました。

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また、長期の寝たきり生活を送られる方にみられる褥瘡(床ずれ)を改善させる栄養成分についても説明がありました。

褥瘡改善には、タンパク質の摂取に加え、亜鉛やグルタミン、n-3系脂肪酸の摂取などが知られていますが、近年の研究においてL-カルノシンが有効であるという報告がされたことを示し、本学大学院の臨床准教授 真壁昇先生と共同開発した『カルナール(ピーチ味の結晶1gの商品)』を紹介しました。

限られた栄養投与量のなかで最高のパフォーマンスを得ることが大切、という目標で作られた商品であることが紹介され、学生たちはこちらも試食しました。

 

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同行された営業部の山田氏からは、「現場の栄養士の方々に接しております。ファインでは、商品を使ってもらいたいという思いだけでなく、様々な栄養情報を提供させていただくことも重視しています。様々な学会の会場でも展示ブースを設置し、紹介しています。もちろん個別の症例に対しての活用方法も提案させていただいています。みなさんが将来管理栄養士として働く中で、何か困ったことがあれば、遠慮なく連絡してください。情報提供はもちろん、他の病院や施設とつなぐこともしています。」と頼もしい言葉をいただきました。

 

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講義終了後、学生からはたくさんの質問が出て、川崎氏と山田氏は一つずつ丁寧に答え、活発な質疑応答がなされました。

 

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<学生のコメント>

 ■HMBはスポーツ栄養で活用されていることは知っていたので、詳しく説明をしてもらえたから有意義だった。
 ■少量の成分を投与するだけでも大きな効果が得られることに驚いた。
 ■HMBの粉末ミルクを活用して提供できる方法を考えてみたい。
 ■メーカーの方と色々相談できることを知った。

 

食物学科では、学生たちのほぼ全員が管理栄養士をめざす中、食品や医薬品を開発するメーカーの方々とも関わり、その中で情報収集し、知見を広めることも、管理栄養士の必要な役割であることを学ばせたいと、今日の特別授業を企画しました。