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学科トピックス

~認知症の私から見える社会~丹野智文氏による若年性認知症セミナーを開催

2022年09月21日 社会福祉学科

9月12日(月曜)、本学100周年ホールにて、認知症当事者の相談窓口「おれんじドア」代表の丹野智文氏による若年性認知症セミナーを開催しました。

この度のセミナーは、今年1月に地域福祉に関する研究及び事業を実施し、地域共生社会実現を目的に設立された「NPO法人おかやま地域福祉研究所COM(理事長:小坂田稔社会福祉学科長)」が主催し、本学社会福祉学科の学生や美作地域の福祉関係者ら79名が参加しました。

 

丹野氏は昨年9月にもご来学いただいており、本学でのご講演は2回目となります。

<昨年の講演の様子はこちら>

 

講演会の様子

 

丹野氏は、宮城県にお住まいで、自動車販売会社のトップセールスマンとして活躍されていましたが、2013年、39歳のときに若年性認知症と診断されました。

現在は、同会社にて総務・人事として働くかたわら、若年性認知症当事者として、認知症のことを広く知ってもらうとともに、「認知症当事者を笑顔にできれば」という思いで、全国各地で講演活動を行なわれています。2015年には当事者同士が自由に話しあう「おれんじドア」をスタートされ、当事者同士をつなぐ仕組みも次々に作られています。

 

この度は「認知症の私から見える社会」をテーマにご講演いただきました。

 

講演会の様子

 

丹野氏が記憶力の低下に気づいたのは33歳の頃で、その時は疲れやストレスからだと思い病院には行きませんでした。39歳の時に同僚の顔と名前がわからなくなり、組織図を確かめ、ようやく声をかけたということがあり、受診をし「若年性アルツハイマー型認知症」と診断されました。

 

「診断結果を聞いてこの先どうしたらよいか不安になったが、妻や子どもたちのためにも会社を辞める選択肢はなかった。会社は病気を理解してくれて、同僚のサポートもありながら仕事を行っている。社長からは『毎日笑顔で来てくれてありがとう。あなたが元気に出勤することで、他の社員も自分が病気になっても働ける、と安心して仕事ができる。会社としても個人としても応援するから頑張りなさい』との言葉があり、今も働き続けることができている」と話されました。

 

講演会の様子

 

また、「偏見が怖かったが、オープンにすることで大勢の人が助けてくれるようになった」と話し、一方で「認知症の人に対して『なんでもやってあげなければ』と思う人もいるが、できることを奪わないで待ってあげてほしい。失敗しても自信をもって行動することで、認知症を遅らせることがでる。失敗しても怒らない環境が必要」と訴えらえました。

 

最後に、「僕はこれから皆さんの顔を忘れていくかもしれない。でも皆さんは僕のことを忘れないと言ってくれる。そんな思いに生かされている」と語られました。

 

丹野氏の講演後、社会福祉法人新生寿会きのこ老人保健施設施設長の宮本憲男氏に、「ピアサポート活動について」ご講演いただきました。

 

 

宮本氏は、丹野氏との出会い等のエピソードを話され、認知症当事者の支援活動として、毎月実施している「ひだまりカフェ」や相談窓口の「おれんじドア」、おれんじドアのラジオ版等、施設が実施している地域交流を目的とした取り組みを紹介されました。

 

宮本氏はこれらの活動について、「全て丹野さんからヒントをもらい、認知症の方々がどのような支援があれば当たり前の生活が送れるか考えながら活動を実施している」と話されました。

 

その後、講師2名に対して質疑応答を行い、参加者からは多くの質問が投げかけられ、一つ一つに丁寧に答えていました。

 

講演会の様子  講演会の様子

 

 

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