学科トピックス
短大栄養学科~病院勤務の卒業生より“病院栄養士の実態”について学ぶ~
2021年01月27日 栄養学科
1月20日(水曜)、短大栄養学科の1年生(給食計画論)と2年生(臨床栄養学概論)の授業で、社会医療法人高見徳風会 希望ヶ丘ホスピタル診療部栄養科で勤務されている丸山真理子先生(本学栄養学科卒業生)を外部講師として招き、『病院栄養士の実態』をテーマにご講義いただきました。
まず初めに丸山先生は「栄養士を目指した動機は何でしょうか。栄養士の職域は広くなっています。どのような職に就いたとしても、“皆さんの健康を守る”栄養士になってもらいたいと思っています。」とメッセージを送りました。
続いて、病院給食の変遷についての話では、「1986年に病院給食の委託が認可され、病院側は人件費の削減や雇用の問題がなくなるため、病院給食の委託化が加速的に進んだ。しかし現在は、人件費高騰による委託料の値上げや人材不足によるサービスの低下に伴い、委託から直営へ戻る施設が増えている。」と説明しました。
また、食事提供方法として、『クックサーブ』『クックチル』『クックフリーズ』などを比較し、それぞれのメリット等をあげ、「これらの調理法を使い分け、いかに質を落とさずに少人数で提供できるかが課題となっている。」と述べました。
日々の業務の紹介では、『検品作業』『下処理作業』『厨房での調理』などを、実際の現場での写真や動画を用いてわかりやすく説明しました。また、「30年前は入院患者の年齢が若かったが、現在は入院患者も高齢化しており、食事形態などを工夫しないと食べられない状況になっている。」と述べ、ペースト食やゼリー食、増粘剤の説明がありました。
最後に、これから学生たちに望むこととして、「患者さんへの栄養指導や多職種との連携が必要となる現場で働くために、コミュニケーション力を高めてもらいたい。また、医学の基礎知識を身につける、診療報酬改定などさまざまな情報にアンテナを張るなど、常に前向きで真摯に取り組み、夢を目標に変えて進んでいってもらいたい。」とエールを送りました。
- 受講した学生の感想
「現在授業で習っている知識が実際の業務に必要とされていることが印象的でした。また、病院の給食運営が委託から直営に戻っているところが増えているということに驚きました。」
「栄養士でも給食部門や栄養管理部門の両方を担えるように、これから前向きに多くのことを学んでいきたいと思いました。」
「病院での栄養士の役割の重要性を改めて知ることができました。『コミュニケーション力を高めること』『一生勉強を続けていくこと』に努めていきたいです。」