学科トピックス
栄養学科の学生が栄養士の業務/学外実習に向けての心構えを学ぶ
2024年11月05日 栄養学科
10月16日、18日、24日の3日間、栄養学科の授業で、本学を卒業し実際に現場で働いている方々を講師にお迎えしご講義いただきました。
- 16日「高齢者施設での役割」2年 学外実習指導
特別養護老人ホーム「奥津広済園」で介護支援専門員(相談員)・管理栄養士として勤務されている友實喜美子氏(本学食物学科卒業生)を講師にお招きし、高齢者施設における栄養士の業務についてお話いただきました。
奥津広済園は岡山県北で初めての「新型特別養護老人ホーム」で、施設の居室をいくつかのグループに分けて、それぞれを一つの生活単位とし、少人数の家庭的な雰囲気の中でケアを行う“ユニットケア”の形式をとられています。
「ひな祭り会」「ファーストフードの日」など様々なテーマの行事食を作ったり、箸袋やカードを添えて普段とは違う雰囲気で食事をしていただいたりなど、楽しんで食事をしてもらえるよう様々な工夫をされていると教えていただきました。
また学外実習が控えている2年生たちが実習で気を付けることとして、「会話はゆっくり、笑顔を忘れずに」「きちんと挨拶ができる」「身だしなみを整える」「わからないことは必ず確認する」の4点を挙げられ、利用者にどのような印象を与えるか比較画像をご用意くださいました。
学生たちはグループになって向かい合い、身だしなみは整っているか、笑顔で挨拶ができているかを確認し合いました。
- 18日「病院栄養士の実態」2年 学外実習指導/1年 栄養情報処理演習Ⅰ
社会医療法人高見徳風会 希望ヶ丘ホスピタル診察部栄養科で勤務されている丸山真理子氏(本学栄養学科卒業生)にお越しいただき、病院における栄養士の業務を教えていただきました。
日々の業務として、「検品作業」や「厨房での調理」など給食に係る業務や「栄養指導」などの栄養管理についての業務を、実際の現場での写真や動画を用いてわかりやすくご説明いただきました。
30年前と比べると入院患者が高齢化しており食事形態を工夫する必要があるそうで、ペースト食やゼリー食、増粘剤についても詳しく教えてくださいました。
丸山氏はこれから学生たちに望むこととして、「患者さんへの栄養指導や多職種との連携が必要となる現場で働くために、コミュニケーション力を高めてもらいたい。また、医学の基礎知識を身につける、診療報酬改定などさまざまな情報にアンテナを張ってほしい」とアドバイスをいただき、最後は「夢を目標に変えて進んでいってもらいたい。」とエールを送られました。
- 24日「『遊びはごちそう 学びはえいよう』~おいしい たのしい 城北ファミリー~」2年 学外実習指導/1年 1年次セミナー
城北保育園(岡山県津山市)で栄養士として勤務されている松岡聖子氏(本学食物学科卒業生)より、保育所における栄養士の業務についてお話いただきました。
保育園で子ども達に提供される食事は食への関心や基盤をつくる「食育」としての役割も担っています。松岡先生は栄養士が具体的にどのようなことを工夫し、実践しているのかを実際に作られている行事食のメニューや調理・食育の様子などを撮影した写真やスライドでわかりやすく説明してくださいました。
また食の安全について、以前は提供していたものでも他県の事故を受けて提供しなくなったものもあり、食の安全を守るためには世の中のニュースを気にすることも大切であると教えてくださいました。
最後に実習に向けての心構えとして、「実習は5日間であっという間に過ぎていく。有意義な時間にしてほしい」と学生たちにエールを送られました。
【学生たちの感想】
「食事について一人一人に対応されていて、“個人”を大切にしていることが伝わり感動しました。私も栄養士になったら一人一人の生活を尊重し、この施設でよかったと思ってもらえるような栄養士を目指したいと思いました」
「『一生勉強』という言葉が印象に残りました。栄養士は日々知識を改めないといけないこと、幅広い知識を身に着けておくことが大切だとわかりました。」「医師だけでなく栄養士である自分たちにも大きな責任があること、患者様一人一人に向き合い前向きに取り組むことが大切だと学びました」
「注意しなければならないことが多く、周りとの連携が不可欠であるが、それを現場で実践されているからこそ、子どもたちが笑顔で「おいしかった」と言ってくれているのだと思いました」
「保育園で栄養士として働くことを考えていたので、やりがいや工夫していることなどを知ることができてとてもいい機会になりました」