食の分野
短大
栄養学科
[栄養士養成課程]
学校給食・学校における食育を通じてキャリアデザインを考える〜短大栄養学科1年生が学校給食見学研修〜
2019年02月15日 栄養学科
短大栄養学科1年生全員が履修する科目『一年次セミナー』の一環として、津山市戸島学校食育センター(センター所長:灰原佳典/津山市戸島)を見学、学校給食の役割などを学びました。
津山市では、学校給食の共同調理場として学校給食センターを設置し、給食の調理提供だけでなく栄養教諭による学校における食に関する教育を実践するための媒体として学校給食を活用しています。
津山市には、見学した戸島の他に草加部に「学校食育センター」が設置されており、2ヶ所のセンターで調理した学校給食を、津山市内すべての小中学校に提供しています。
はじめに、給食が主に調理される「調理室」を見渡せるサテライト室から、この日の献立の一つであるラーメンの具だくさんのスープや牛肉とじゃがいもの煮物が作られているところを見学しました。
一つの1,000食分が調理できる巨大な回転釜が8つ並ぶ中、「分量の多さ」「食材の種類」「丁寧で素早い調理」「動線が重ならないように設計された調理作業工程」などを、栄養教諭や教員を交えた会話を通じて学びました。
見学の後に、サテライト室から見ることができないセンターの施設を、津山市の栄養士によって作成されたDVDの解説動画を視聴しました。
センターに設置されている巨大な大量調理器具の紹介、徹底された衛生管理など安心安全な給食を届けるためのシステムを学びました。
その後、学校給食の意義や役割、学校給食ができあがるまでの工程をセンターの栄養教諭の講話を通じて学びました。
また、学校給食における課題について、栄養教諭から投げかけがあり、好き嫌いが生じる理由を残食率から考察しました。
校外実習や就職を見据えた話もあり、給食の専門的内容だけでなく、短大での実習への取り組み方や学校給食に従事する栄養士として働くために必要なもの、心構えなどについてもお話をいただきました。
本学の卒業生でもある栄養教諭の内田茜先生(食物学科卒業)は、「学校給食は多くのスタッフの協働・連携なしでは提供することができません。栄養教諭として、ただ食べてもらうだけでなく「栄養バランス」や「地産地消」を意識した上で子どもたちの健やかな成長を支えています。また、岡山県北を始め、全国各地の郷土料理も取り入れるなど「食文化の理解」も意識しています。」と力強く学生たちに伝えました。
最後に、児童や生徒にふさわしい給食を五感で感じ取りながら、給食を試食しました。
この見学によって、学生たちは、自分たちの目指す「栄養士」の学校給食における役割を感じたり、給食というものが栄養士だけでなく多くのスタッフの協働によって成り立っていることを知ることができたり、現場での厳密な衛生管理や効率のよい調理作業工程などを目で見て学びました。
これらの経験は、専門分野での学修内容を位置付けて理解・活用していくために欠かせないものになり、協働・連携を意識した今後の講義・実習やキャリアデザインのための学びへとつながります。
本学は、大学・短大それぞれの1年生全員が、「一年次セミナー」という授業を履修しています。在学中の講義実習の理解を高めるためのリメディアル教育、また専門職としての進路を考えるキャリアデザインなどの講義内容で開講され、小グループで講義や演習を進めることで、より深い学びと充実した学生生活を送ることを目的としています。
また、大学児童学科でも、小学校教諭をめざす3年生の学生たちが、栄養学科とは違った視点で、戸島学校食育センターを見学する予定にしています。