学科トピックス
ヤングケアラーを考えるフォーラムを開催しました
2026年02月12日 社会福祉学科
2月11日(水曜・祝日)、美作大学において「ヤングケアラーを考えるフォーラム」を開催しました。本学社会福祉学科が主催し、NPO法人おかやま地域福祉研究所COM(以下、NPO法人COM)が共催し、津山市が後援しました。
本フォーラムは、ヤングケアラーの実情を知り、身近な地域で支えあうためのあり方について考えることを目的に、学生や福祉・教育・地域関係者、市民など約100名が参加しました。

全体司会 社会福祉学科3年宇都宮ひかりさん
なお、当日の準備・運営は、社会福祉学科の里親里子支援サークルと児童虐待防止啓発サークル#Orange Wings、そして共催団体であるNPO法人COMの役員が中心となって担当しました。受付や会場設営、司会進行など、それぞれが役割を担いました。
- 当事者の声から見える現実
第1部では、元ヤングケアラーである酒井清旭氏と高岡里衣氏が登壇し、これまでの体験を語りました。

酒井氏は、幼少期から母親の介護を担ってきた体験をもとに、「ヤングケアラーは自分自身がその立場にあることに気づきにくい」こと、周囲の理解や気づきが支援につながる重要性を語りました。

高岡氏は、9歳から約24年間にわたり家族の介護を担ってきた経験を紹介し、当時はそれが特別なことだと気づかないまま日常を過ごしていたこと、そして子ども時代の経験がその後の人生にも影響を及ぼしたことを振り返りました。
お二人の体験は数あるヤングケアラーのケースの一部に過ぎませんが、その言葉からは、多様で見えにくいヤングケアラーの現実が強く伝わってきました。
参加者にとっては、当事者の話を直接伺うことで、具体的な寄り添い方や助言のあり方を考える上での大きな学びの機会となりました。
- 現場からの視点と課題

第2部では、NPO法人COM副理事長の高木成和弁護士がコーディネーターを務め、主任児童委員の大土井亮輔氏、津山中央居宅介護支援事業所管理者(ケアマネージャー)の壽惠雅彦氏、放課後児童クラブ指導員の角野いずみ氏が登壇し、それぞれの立場からヤングケアラーの現状について意見が交わされました。
通学時の見守りなどを通して虐待には気づける場合があっても、ヤングケアラーは外から見えにくく、発見が難しいこと、また実際の相談では、成人後に就労が難しくなったケースや、仕事をしながら家族のケアを続けているケースが多い現状も共有されました。
「こんなに小さな子どもが家族の介護を担っていることを知り、胸を痛めた」という現場の声もあり、早期の気づきと支援の重要性が改めて確認されました。
- 誰もが当事者になりうる社会の中で

フォーラムの最後に、お二人から
「いつ、誰がケアする側になるかは分からない。ヤングケアラーは、幼い頃からその重い決断を強いられてきた存在だった。そのことを少しでも感じてもらえたら」
「周りの大人には、つかず、離れず、見守る関係でいてほしい。『気にかけているよ』という言葉や態度が、ヤングケアラーには必要」というメッセージが送られました。
また、日々支援に携わる立場からは、
「誰もがしんどくならず、支え合い、『つながっている』と感じられる社会を作っていきたい、という願いが語られ、会場全体で共有されました。
また、日々支援に携わる立場からは、
誰もがしんどくならず、支え合い、『つながっている』と感じられる社会であってほしい
という願いが語られ、会場全体で共有されました。

学生時代にヤングケアラーをテーマに研究し、過去のフォーラムの運営にかかわった卒業生も参加しました。現在は、児童福祉関係の職場で、子どもやその親に向き合って相談業務をしています。
美作大学では、今後もこうした学びの場を通じて、ヤングケアラーをはじめとする社会課題への理解を深め、地域と連携しながら支援のあり方を考えていきます。
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