学科トピックス
地域とともに歩んだ学びの集大成 社会福祉学科4年生が卒業研究発表を実施
2025年12月19日 社会福祉学科
12月6日(土曜)、社会福祉学科4年生による卒業研究発表会が開催されました。この日は卒業研究を行った10名のうち8名が発表し、それぞれが地域での実践的な調査研究の成果を報告しました。

- 地域に根ざした研究テーマ
学生たちが取り組んだ研究テーマは、地域社会が直面する多様な福祉課題を反映したものばかりです。

介護老人福祉施設でのケアマネジメント、津山市のACP(アドバンス・ケア・プランニング)ファシリテーターの実践、児童養護施設における子どもの権利保障、真庭市の認知症家族会を支えるソーシャルワーカーの役割、鞆の浦(広島県福山市)における地域密着型施設と住民の関係性、出雲市の病院における家族支援、学生の災害ボランティア参加促進、鳥取市における障害者の居場所づくりなど、それぞれの研究が地域の実情に深く切り込んでいます。
12月17日(水曜)には、残る2名の学生が「がん治療と就労の両立支援」「児童家庭支援センターと子ども食堂の連携」をテーマに発表しました。

- 足で稼いだ、生きた研究
これらの卒業研究は、単なる文献研究にとどまらず、地域の施設や行政機関などでインタビュー調査やアンケート調査を実施し、現場の声を丁寧に聴き取り、分析してまとめあげています。学生たちは地域に足を運び、実際に福祉の現場で働く方々や支援を必要とする方々と向き合い、そこから得た学びを研究しました。
- 切磋琢磨し、高まる研究レベル
前日からの準備や当日の運営には3年生が中心となって行いました。指導教員からは「自律し協力し切磋琢磨しながら仲間と研究に取り組む姿勢が素晴らしく、卒業研究のレベルが年々上がっている」との評価がありました。先輩たちの研究を参考にしながら、さらに深化させていく学生たちの姿勢が、研究の質の向上につながっています。
- 次世代へのバトンタッチ
会場では2・3年生も聴講しており、先輩たちの研究発表に真剣な眼差しで聞き入っていました。積極的な質疑応答が交わされ、「今実際に現場で働いている方にもぜひ聞いていただきたい」と思えるような、実践的で示唆に富んだ発表も数多くありました。

教員からは「卒業研究は簡単ではないが、振り返ってやらなければよかったと思う人はいない」「大学生だからこそ時間をかけて深く考えることができる貴重な機会」「この経験は実力となり、自信となる」といった言葉が贈られました。

- 社会福祉の視点を持ち続けて
堀川学科長からは総評として、「社会福祉とは社会の福祉。社会の中にある課題にどう疑問を持ち、課題意識を持つかが大切です。就職後も目の前の業務に追われがちになりますが、どう解決しようかを考える社会福祉の視点を持ち続けてほしい」との激励がありました。
この卒業研究は、学生たちにとって4年間の学びの集大成であるとともに、社会福祉の専門職として地域社会に貢献していくための第一歩となったことでしょう。研究の視点や方法は、就職後も実践現場で活かされ、福祉の世界をより良く変えていく力になるはずです。

美作大学社会福祉学科は、今後も地域とともに学び、地域に貢献できる福祉専門職の育成に取り組んでまいります。
![]()
