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学科トピックス

社会福祉学科武田ゼミが、貧困・生活困窮問題をテーマに釜ヶ崎を視察

2024年06月11日 社会福祉学科

6月9日・10日の2日間、貧困・生活困窮問題をテーマに研究している社会福祉学科武田ゼミの4年生が、大阪市西成区(通称釜ヶ崎)を訪問しました。

 

1日目の午前中には、釜ヶ崎芸術大学を訪問し、芸術が生み出す多様性の理解や共存について説明を受けました。

 

午後からは映画「さとにきたらええやん」(監督:重江 良樹)の撮影現場となった「認定NPO法人こどもの里」を訪問し、代表の荘保共子さんから釜ヶ崎の歴史とこどもの里の理念や取り組み、子どもたちの置かれた状況について説明していただきました。

そこには釜ヶ崎に特化した問題に限らず、基本的人権の問題やヤングケアラーの問題、無戸籍の問題、外国人問題などが多様に絡まっており、単に経済的な貧困だけでなく、様々な側面からの自立をどうサポートしていくかの重要性を学びました。

 

視察の様子  視察の様子

 

夜には山王こどもセンターが行う「子ども夜まわり」と路上生活者支援に取り組む「野宿者ネットワーク」の夜回りに参加し、ホームレスの人たちの安否確認を兼ねて、合計で70人以上のホームレスの人たちに声かけをしました。

 

2日目午前中は、野宿者ネットワーク代表で作家の生田武志さんの案内により、釜ヶ崎でのフィールドワークを実施し、釜ヶ崎の労働者や子どもたちの貧困問題などの歴史的背景と支援内容についての説明を受けました。午後からも生田武志さんに同席いただき、振り返りを行いました。

 

視察の様子  視察の様子

 

武田ゼミでは昨年11月に滋賀県大作茗荷村を訪れ、今年の5月には兵庫県姫路市での炊き出しなどを行う過程で貧困・生活困窮問題について学びを深めています。今後、これらを総括し、貧困・生活困窮状態の人たちに寄り添う支援について考察していく予定です。

 

 

  • 訪問した学生の感想

「実際に西成というまちを訪問し、地域の実情を目にして聴く話のなかで『貧困状況があるのは本人のせいではなく社会が作り上げたものである』という言葉に凄く考えさせられるものがありました。様々な事情により困難を強いられている子どもの貧困問題やホームレス問題に対しても『制度の壁』が必ず生じていることが分かったため、自分自身が将来、この様な壁を無くすために制度や計画に携われる人間になりたいと強く感じ、授業では学びきれない貴重な経験となりました」

(永野怜さん/高知工業高等学校出身)

 

「2日間の西成区の視察を通して、無料で医療を受けられたり、シェルターで寝る場所が確保できたり、また、高齢者や児童の施設や生活相談できる場などを視察でき、この地域にはさまざまな社会資源が揃っていることを知ると同時に、西成区が福祉のまちであることを実感しました。また、路上生活者が世間からの差別や偏見を受けたり、行政や地域住民から路上生活者を排除する動きがあったりと路上生活者の人権を侵害することがある実情を踏まえて、路上生活者の尊厳を守り支援することを心掛けていくべきだと学びました」

(三尾優大さん/就実高等学校出身)

 

「夜まわりに参加し、路上生活者に声をかけ、マスクを配布しました。夏には塩分補給の為タブレットや飲み物、冬は毛布やカイロ等も配布しているとのことでした。夜まわりをしながらお話を伺っていく中で、原因は社会環境にあったり、制度やサービスが十分ではないことを実感しました。それと同時に差別・偏見が根強く残っているのだなと思わされる部分があり、まずは正しく理解する、意識を変えることが大切だと思いました。私自身も思いやりを持ち、多方面から考えられる人になりたいと改めて思う機会になりました。」

(野本明日香さん/土佐女子高等学校出身)

 

「野宿者の生活の場に踏み込むため否定的な態度を取られると思っていたが、中には声をかけることで笑顔になっている野宿者の方もいました。夜まわりで声をかけることにより交流の機会をつくる大切な機会になっている、社会的な孤立を防ぐ効果もあることが分かりました」

(清水太智さん/日彰館高等学校出身)

 

「現地でしか見ることの出来ない現場の雰囲気や現状を知ることができ、いい経験となりました。子どもたちも夜回りに積極的で自分にとってもいい刺激となりました」

(鈴鹿健斗さん/津山商業高等学校出身)

 

「釜ヶ崎視察では、行政が実施しない支援やサポートをNPO法人や社会福祉法人が担っていると感じました。釜ヶ崎の日雇労働者の多さや野宿者襲撃事件などの治安、若年層の生活困窮などの課題に立ち向かい、支援を続けないと困る人が必ずいることが分かりました。夜回りでは、野宿者とコミュニケーションをとる事で支援者も野宿者も笑顔になる活動であり、社会的孤立や精神的にもリフレッシュできるのではないかと考えました」

(遠藤大斗さん/大東高等学校出身)

 

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