学科トピックス
社会福祉学科2年生が「加齢の理解」の授業で当事者のお話を聴く
2023年11月02日 社会福祉学科
10月18日(水曜)、社会福祉学科2年生の「加齢の理解」の授業に、一般社団法人「はるそら」から代表の多田美佳さん、認知症当事者の牧田喜久夫(ペンネーム)さんが来てくださり、ご自身の経験等をお話しくださいました。2年生55人と3年生の希望者8人の計63人が受講しました。
多田さんは、ご自身の夫がアルツハイマー病と診断されるまでにも紆余曲折あったこと、診断後も適切なサービスがないことで、当時中学生の息子さんにも介護を担ってもらわざるを得なかったことをお話しされました。今でいう『ヤングケアラ―』ですが、そのころはそのような名称もなく、学校の先生にも理解してもらえなかったそうです。そのような中で、息子さんと夫との距離ができてしまったことが一番辛かったが、自身が仲間を求めて出かけていき、「RUN伴*」に出会い、参加することで家族の再構築を果たせたそうです。その経験から、現在は、同じ辛い思いをする人が無いよう、認知症の人とその家族が一歩を踏み出すための居場所として「はるそら」を立ち上げています。
*RUN伴とは、認知症の人や家族、支援者、一般の人がリレーをしながら、一つのタスキをつなぎゴールを目指すイベント」です。<詳しくはこちら>
牧田さんは、「認知症には様々な種類があり、『認知症』ではなく、一人一人を見てほしい。自分は車の運転をして一人で出かけることができるが、認知症の診断を受けたとき、職場に理解されず、『治る見込みがない』ことを理由に仕事を続けられなくなった。今は、仲間がいるから元気に過ごせている」とお話しされました。そしてご自身のできること、苦手なことをわかりやすく教えてくださいました。
最後に多田さんは、本人が元気でいるためには家族が元気でいることが大切。本人支援と家族支援、両方のバランスが必要と話されました。
お話を聞いた学生からは「社会の中で居場所がなくなると、本人も家族も追いつめられることが良く分かった」、「安心して集える居場所の大切さがわかった」という感想や、「初めて、認知症当事者の方の話を聴いた。牧田さんは、一見認知症とは全然わからなかった。いろいろな工夫をして前向きに生活されている姿がかっこいい」という感想がありました。
多田さん、牧田さん、ありがとうございました。