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学科トピックス

社会福祉学科武田ゼミ「暮らしの保健室ふくまち」「小規模特養五本松の家」視察

2022年10月19日 社会福祉学科

2022年10月14日(金曜)、武田ゼミ3年生が広島県福山市で開催されたイベント「ふくやまゼロ次会」と地域密着型小規模特別養護老人ホーム五本松の家を視察しました。

 

視察の様子

 

「ふくやまゼロ次会」は、「暮らしの保健室ふくまち」と「地域包括支援センター三吉」に加えて、キッチンカーで福山駅前を盛り上げたい「一般社団法人食の駅」とがコラボで開催されたイベントです。様々なメニューをそろえたキッチンカーで舌鼓を打ちながら、医療介護健康相談もできるという環境を通勤経路に自然な形で創り出していくというコンセプトです。

武田ゼミ3年生に地域包括ケアやノーリフティングケアについての研究テーマを掲げている学生がいることから、今回の視察に至りました。

 

午前中は、地域密着型小規模特別養護老人ホーム五本松の家を視察し、田原久美子施設長に施設の取り組みや設備について説明を受けました。

 

視察の様子 視察の様子

 

午後からは、「ふくやまゼロ次会」に参加し、学生はそれぞれの関心に合わせて、地域包括支援センターの社会福祉士や暮らしの保健室ふくまちのコミュニティナースやキッチンカー店主、さらには、参加している市民に対してのインタビューを実施し、スタッフ、関係者、市民の生の声を聴く貴重な経験ができました。

 

視察の様子 視察の様子

 

 

  • 参加した学生の感想

 

秋山涼太さん(高松商業高等学校卒業)

午前中はノーリフティングケアと施設設計についての視点をもって見学しました。自分はノーリフティングケアをするためには器具を使うものだと思っていたのですが、五本松の家では器具を使わず、浴室は姿勢の方向転換がしやすいようスペースを作っておくなど、設計の工夫をすることで器具を使わないノーリフティングケアを行なっており、感心しました。ノーリフティングケアは自分達の創意工夫により器具を使わずともできるものだと分かり、知識が増えたと感じます。実際に施設を見ることで分かることがあるので今回の施設見学はとても有意義だと感じることができました。

午後は暮らしの保健室でインタビューをしました。自分は参加されている一般の女性にどのようにしてこの活動を知ったかというのを質問しました。その女性は五本松の家で行われている100歳体操に参加しており、その体操が行われる場所が施設だったり、暮らしの保健室で行われたりしており、そこで知って参加されているとの事でした。ただ、暮らしの保健室が行われている場所は駐車場が無く少し不便だとおっしゃっていました。そのような課題が改善されるともっと参加者が増えるのではないかと思い、そのような課題を把握するためには参加者の話を聞く姿勢が大切だなと思いました。その参加者の方はすごく楽しそうに話してくださり、「これからも参加し続けたいですか」と聞くと「もちろん」と答えてくれたのでとても魅力の詰まった活動なんだと考えることができました。

 

赤堀七虹さん(美作高等学校卒業)

午前中は地域密着型小規模特養について学びました。特に印象に残っているのは「私が暮らしたい場所」ということをモットーに施設の設備が整えられていたり、スナックや暮らしの保健室などのイベントが行われている事でした。実際に施設の中を見させていただいて、自分で排泄や入浴ができるための工夫点だけでなく、西日が入る部屋はさわやかなイメージになるように青色を基調としていたりと、部屋ごとの細かな部分にも住みやすさの工夫がされているということに驚きました。

午後は、一般社団法人食の駅の河田さんにお話を伺いました。河田さんはこの法人を立ち上げて運営されているということで、なぜ自分の経営しているお店がありながらキッチンカーで福山市内を回ることにしたのかという質問をさせて頂きました。

飲食を経営していくためには、お客様を待つだけではいけない事、キッチンカーにする事でどこにでも出向くことができ、販売する商品もそのときの流行に合わせてアイデアを出せること、今回の暮らしの保健室のように出向いた地域ごとの社会福祉法人や団体と気軽にコラボして人を呼ぶことができることを教えて頂きました。

 

盛永蓮さん(米子北高等学校卒業)

午前は施設で生活する人達がより良い生活を送ってもらえるようにするために、お風呂場での姿勢の方向転換がしやすくなるための工夫やトイレでのプライバシーの工夫などをしている事がわかりました。また、このような細かな生活の質を上げるために、施設長の田原さんらスタッフが、実際住んでいる事を想定して安心することであったり、改善する事であったりを考えることが生活をより良くするために必要な事だと学びました。

午後からは、イベントの主催者でもある施設長の田原さんにインタビューを試みました。暮らしの保険室の活動を行う上で、やっていて良かったと思うことを聞いた。近所のおばさんが家族の心配事があり誰にも話せず地域包括支援センターも仕切りが高くて話せないという状況で、たまたま通りすがってこの活動を知りふらっと立ち寄り相談してくれたことで、地域包括支援センターとのきっかけ作りができたり、介護予防などにも繋がったりすることがやりがいだという事を教えて頂きました。

 

細木みらいさん(中村高等学校卒業)

午前中は、五本松の家の施設長である田原さんから話を聞きました。家族や職員はもちろん、地域住民や他職種が利用者の住み慣れた地域で自分らしく住み続けれるような支援を目指し、連携をし、地域の中の施設として積極的に活動していることが印象に残りました。また、話や実際に施設を見学させて頂く中で利用者だけでなく、支援者のケアや教育にも力を入れている施設であると感じました。

午後は、地域包括支援センターの方に暮らしの保健室を運営する中での課題についてインタビューをしました。課題としては、この活動を今後も続けていくことだと言われていました。相談件数が1回の活動で1件だけの時もあることや、相談に1度来て終わりという現状がある。という話を聞きました。活動を周知していくことはもちろん、継続的に通って貰えるように、何かのイベントと一緒に開催することや多くの人が集まる場にも開催することで多くの人に参加をして頂けるのではないかと思いました。

 

戸田日向さん(須崎総合高等学校卒業)

今回、地域密着型特別養護老人ホームを見学し、お風呂場やトイレ・洗面台など体の動きを妨げないような作りや、全員が顔を見て会話できるようにデザインされた六角形のテーブル等、利用者のことを考えて施設設備が整えられていました。また、利用者だけでなく職員側にも働きやすい環境となるように配慮されていたり、研修会や訓練を積極的に行い、スタッフ全員が「自分が入りたい施設」を目指していたことが印象的でした。施設だけでなく地域活動も行なっており、これらが地域住民の住み慣れた地域での生き生きとした暮らしの実現に繋がっているのではないかと思いました。

午後からはイベントで出展されていた「暮らしの保健室」で相談に応じられていた地域包括支援センターの方にお話を伺うと、暮らしの保健室を周知してもらう為に、チラシを各個宅の郵便受けへ直接投入したり、サービス事業者や民生委員さんに配ってもらうようにしていました。しかし、1日に相談に来てくれる人は1名ほどだという現状を知り驚きました。もっと支援の必要性がある方がフラットに相談に来てくれ、地域包括支援センターなどの専門機関に繋がるような形になれば、より良い活動になると思いました。

 

北村紗弥さん(野田学園高等学校卒業)

午前中は地域密着型小規模特別養護老人ホームである五本松の家を視察しました。五本松の家はスタッフ自身が利用したいと思う施設を目標とされていて、施設内ではトイレや浴室、ユニットの生活スペース等様々な部分に細かい工夫がされていました。実際の視察では利用者の立場に立って考えられており、尊厳の尊重や暮らしやすさに重点がおかれていることを学ぶことができました。

午後は、施設長の田原さんに暮らしの保健室での相談内容についてお聞きしました。

暮らしの保健では、介護や健康についての様々な相談内容の対応が行われていて、その中でも施設の相談が多いとのことでした。また、最近では介護保険利用者でケアマネジャーとの関係性の相談もあるとお聞きし、相談対応の現状を知ることが出来ました。また、相談者の中にはキッチンカーを訪れて、偶然暮らしの保健室を知ったという方もいることも聞き、フラットな場で気軽に相談ができるため、より地域住民に必要な介護支援へ繋げやすくなり、早期の介護予防にも繋がることが分かりました。

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