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学科トピックス

客員教授の関根千佳先生より「情報のユニバーサルデザイン論」の講義で“死生学”について学ぶ

2020年11月05日 社会福祉学科

10月25日(日曜)、本学客員教授の関根千佳先生による「情報のユニバーサルデザイン論」が開講され、社会福祉学科の3,4年生が受講しました。

 

関根先生は、現在株式会社ユーディット(情報のユニバーサルデザイン研究所)の会長兼シニアフェローを務められ、デザインの初期段階から多様なユーザーを参加させるIT機器などの開発、 高齢過疎化の進む地域社会の活性化や、誰もが自分らしく生きられる社会の在り方の提言等を行っています。

本学では20年以上前からご講義をしていただいております。

 

講義の様子

 

この授業は、社会福祉学科の学生が世界最高齢国家の日本で、福祉職として仕事をする上で不可欠な考え方である“ユニバーサルデザイン”と、基礎学問である“ジェロントロジー(高齢学)”について学び、将来自分の仕事に活かせるようになることを目的として開講されています。

 

集中講義形式で、今年度は10月3,4日、24,25日の4日間にわたって開講されており、最終日のこの日は“死生学”についての講義があり、学生たちは将来福祉の現場で働く中で直面することとなる「死」について考えました。

 

 

まず関根先生から、「家族が延命治療を拒否しているが、目の前で苦しんでいる時にあなたはどうするか。」という問いかけがあり、学生たちは頭を悩ませながらそれぞれの考えを述べました。

そして、関根先生は学生たちの返答を踏まえながら事例を紹介し、ACP:アドバンス・ケア・プランニング(人生会議)の定義や死に対する意思表示の重要性について説明しました。

 

※ACPとは、患者本人と家族が医療関係者等と、現在の病気だけでなく、意思決定能力が低下する場合に備えて、予め終末期を含めた今後の医療や介護について話し合うことや、意思決定が出来なくなったときに備えて、本人に代わって意思決定をする人を決めておくプロセスです。

 

講義の様子

 

その他、終末期患者に週に1度、希望する料理を何でも提供する「リクエスト食」を導入している病院の紹介があり、思い出の食事によって、人生を振り返るという事例を学びました。

「リクエスト食」を提供するうえで大切にされているのが「できるかぎり家族と一緒に楽しんでもらいたい」という精神であり、家族と一緒に、思い出の食事をとるその時間は、患者だけでなく、家族にとっても貴重なものとなっています。この事例紹介の中から「終末期患者と関わる中で、実際にケアをされているのは、医療従事者や家族かもしれない。」という考えにも触れました。

 

講義の様子

 

最後に関根先生は、「この4日間で学んだユニバーサルデザインの概念は、福祉の仕事にとどまらず、人生を送っていく中で役に立つものです。この授業を通じて皆さんに会えて良かったです。」と温かな言葉で授業を締めくくりました。

 

 

 

  • 受講した学生の感想

「ユニバーサルデザインと福祉の関係性を知ることができました。将来福祉職に就くために役に立つ内容であり、この講義で学んだことを活かしていきたいと思います。」

「この講義では、自分の人生観を考え直すきっかけを与えられました。本日学んだことなど家族で話し合ってみたいと思います。」

 

 

  • 関根千佳先生より

「美作大学の学生さんは、少しシャイかなと思うこともありますが、生きることに真摯に向き合う、優しいひとたちです。これからも、ユニバーサルデザインや多様な年代を理解して、より良い社会を作っていってください。期待しています」

 

<昨年の講義の様子はこちら>

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