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学科トピックス

ソーシャルワーカー(社会福祉士)に欠かせない人権の理解を深める ~大学社会福祉学科1年生他が長島愛生園を視察~

2022年07月18日 社会福祉学科

6月28日(火曜)、大学社会福祉学科1年生を中心に計54名が国立療養所長島愛生園(岡山県瀬戸内市)で視察研修を実施しました。

 

視察風景

 

「国立療養所長島愛生園」は全国に13カ所ある国立ハンセン病療養所のひとつで、1931(昭和6)年に開園しました。

当時ハンセン病に対する差別・偏見は凄まじく、癩予防法など国の隔離政策により多くのハンセン病患者が「収容桟橋」を渡って隔離されました。

1996(平成8)年に「らい予防法」が廃止となり、隔離政策は法制度上終焉しましたが、高齢化や後遺症、そして今なお残る差別・偏見のため、現在も122名の方が療養生活を送っておられます。

 

学生が学んでいるソーシャルワークの価値のひとつに「人間の尊厳」があり、「すべての人々を、様々な事情による違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重する」という意味が込められています。

社会福祉学科では、ハンセン病の歴史的な背景と当事者の想いに触れる機会を通じて「人間の尊厳」を正しく理解し、人権問題に向き合うことのできるソーシャルワーカー(社会福祉士)を育むため、この視察を毎年1年生や編入生に対して実施しています。

 

視察風景

 

視察プログラムは長島愛生園内の見学、愛生園内での患者収容桟橋・収容所・監房・納骨堂などの歴史回廊見学、入所者語り部による体験講話でした。

 

体験講話では長島愛生園入所者自治会の中尾伸治会長のお話を伺いました。今日に至るまでの差別・偏見の壮絶さ、生きにくさを抱えながらも前を向いて生きてきたこと、ハンセン病の正しい理解の促進、その他未来の希望をつかむために取り組んできた運動の様子について惜しみなくお話しいただきました。

 

なかでも、「家族と会えなくなっても移住したと思えばよい」、「自分の気持ちを押し殺せばよい」といくら自分に言い聞かせても「ひとりぼっちになってしまった」という孤独感が強くなる一方であったというお話を伺い、「自分らしく生きる」ことの意味を考えるきっかけをいただきました。

 

視察風景

 

学生は、中尾会長の講話に聴き入り、質疑応答では「ハンセン病と現在の新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらしているものは『排除』という点が共通していると思う。私たちは歴史を繰り返さないためにどのような行動をとるべきか?」など、積極的に質問を重ねていました。

 

視察を終えた学生は、「今回学んだことを後進にどのように伝えていくべきかを考える貴重な時間になった」、「ソーシャルワーカーにとってなぜ人権を擁護することが大切なのか分かった」と感想を述べており、ソーシャルワーカーにとって欠かせない大切な視点を得ることができました。

 

今後は、「ソーシャルワーカーにとって人権とは」というテーマでレポートを作成し、1年次セミナーにおいて共有・発表することに取り組んでいきます。

 

視察風景

 

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