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「加齢の理解」授業において『はるそら』さんの講話を聞く~社会福祉学科2年

2019年11月01日 社会福祉学科

10月29日(火曜)社会福祉学科2年生の「加齢の理解」の授業において、一般社団法人『はるそら』さんから、4人の方が講話に来てくださいました。(当日は2年生42人と3・4年生の希望者14人 計56人が受講)

 

 『はるそら』は、「認知症、若年性認知症のご本人やご家族、専門職、その他いろんな人が集い語り合い、一歩を踏み出すための作戦会議ができる気軽な居場所」を作ることを目的に活動している団体です。代表の多田美佳さんがご自身の経験から必要性を感じ、2019年4月に設立されました。

 まず多田さんから、夫のアルツハイマー病の発病から現在に至るまでの体験や思い、社会体制の不備などについてお話があり、その中でも家族が理解することの葛藤と、そのためには周囲の理解と支援が必要だというお話しいただきました。

 その後、『はるそら』理事の《よっちゃん》と《てっちゃん》の対談が行われました。《てっちゃん(58歳)》は1年前にアルツハイマー病と診断されました。診断後、勤務していた会社からは「部署移動」という配慮があり、新たな部署では病気を伝えていたそうです。にもかかわらず、「いつになったら仕事を覚えられるんだ、早く一人前になれ」という上司の言葉にショックを受け、その日から仕事に行けなくなり、7か月間も家に引きこもってしまったそうです。しかし多田さんや《よっちゃん》と出会い、少しずつ外に出ていけるようになりました。5月に『はるそら』に事務所ができてからは毎日通っているそうです。《てっちゃん》は「安心できる居場所があること、一緒に話せる仲間がいること、そして笑えることが一番の薬。『はるそら』に出会えて、もう一度人間になれた気がする」とお話しくださいました。今は「くるみボタン」づくりに励んでおられるということで、学生にも見せてくださいました。

 

 お話を聞いた学生からは「若年性認知症については学ぶ機会はあったが、実際に当事者ご本人に話を聞く機会はなかったので、とても勉強になった。」「そばにいて、一人ではないことを伝えられる人になりたい。」「何かしなくては、ではなく、まずは本人の思いを受け留められる社会福祉士になりたい」という感想がありました。

 多田さん、『はるそら』のみなさん、ありがとうございました。

                                    (文責 堀川涼子)

くるみぼたん.jpg

《てっちゃん》手作りの「くるみボタン」

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