学科トピックス
「口から食べること」を支える専門家として 岡山大学病院より歯科医師をお招きした合同講義
2026年06月22日 食物学科
食物学科では、4年生「高齢期栄養学演習」と3年生「福祉臨床栄養学」の合同授業を実施し、岡山大学病院 スペシャルニーズ歯科センター 歯科医師の前川享子先生を講師にお迎えしました。

今回の授業では、「摂食嚥下障害について 嚥下の基礎、評価、訓練の実際」をテーマに、講義と体験を交えながら学びを深めました。
はじめに講義では、口から食べることの意味や、摂食・嚥下障害の基礎について学びました。「食べること」は単なる栄養摂取にとどまらず、楽しみやコミュニケーションにもつながる大切な営みであることを確認しました。
その後、資料とあわせて配られていたお菓子を食べたり、実際に飲み物を口にしたりしながら、「どのように飲み込みが行われているのか」を体感しました。

食べ物が口の中でペースト状になってから飲み込まれていること、舌の動きや頬の働きが重要であることなどを、自分の身体を通して確認。頬に手を当てたり軽くつまんだりすることで、見えにくい動きにも意識を向ける時間となりました。

こうした体験をふまえ、摂食・嚥下のしくみについてさらに理解を深めました。食べる動作は、先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期の5つの段階から成り立っており、それぞれが連動することで安全な食事につながります。
また、摂食嚥下障害は加齢だけでなく、脳血管疾患や認知症、長期臥床などさまざまな要因によって起こり、低栄養や脱水、活動量の低下といった状態へつながることも学びました。誤嚥性肺炎の予防や口腔ケアの重要性についても理解を深めました。
さらに、実際の支援においては、問診や口腔内の状態、食事摂取状況などをもとにした評価が欠かせないこと、姿勢や介助方法といった環境調整、食事形態の工夫(ゼリー食・ペースト食・とろみ調整)、嚥下訓練など、多面的な関わりが必要であることを学びました。
- 胃瘻と「食べること」の本質的な問い
「胃瘻にすると口から食べなくなる」という一般的な誤解に触れながら、「そもそも胃瘻をどう考えるか」という倫理的・臨床的な問いが投げかけられました。患者・家族・多職種チームで向き合うべき課題として、学生たちへ深く考えるきっかけを与えていただきました。
講義の中では、「安全」と「おいしさ」のバランスについても触れられ、食べる楽しみを大切にしながら支援していく視点の大切さを考える機会となりました。
学生たちは今回の授業を通して、「口から食べること」を支える専門性の奥深さを実感するとともに、管理栄養士としてどのように関わっていくかを考え、これからの学びへの意識を高めているようでした。
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