学科トピックス
専攻科介護福祉専攻、「はるそら」との交流会で若年性認知症の理解を深める
2021年07月27日 専攻科介護福祉専攻
7月22日(木曜)、専攻科介護福祉専攻の学生が若年性認知症グループ「はるそら」の方々と交流し、若年性認知症への理解を深めました。
『はるそら』は、岡山県で認知症・若年性認知症のご本人やご家族、専門職その他さまざまな人が集い語り合い、一歩を踏み出すための作戦会議ができる気軽な居場所を作ることを目的に活動されている団体です。代表の多田美佳氏がご自身の経験から必要性を感じ、2019年4月に設立されました。
多田氏は本学の非常勤講師を務められていることもあり、若年性認知症の当事者の実情や、家族の思いを学生たちに知ってもらおうとこの度の交流会を開催しました。
「はるそら」の方々が到着後、各グループに分かれ、それぞれのグループに学生が補助員として入り学生食堂へ向かいました。学生はおすすめメニューを紹介し食券を購入する等のサポートを行い、一緒に楽しく食事を食べました。
食後はサブアリーナに移動し、自己紹介や本人ミーティングなどの交流会を行いました。
自己紹介では、ピン球を転がし、球を受け取った人から名前と今日の意気込みを発表していきました。
その後、当事者とご家族が別々のグループに分かれ、それぞれのグループに学生が入り本人ミーティングを行いました。
当事者の方からは、「認知症を怖いと思わせないよう、理解をしてくれる人を増やしたい」「やりたいことができなく、悔しい思いをしている」等の訴えがあり、学生は真剣な眼差しで話を聞いていました。また、認知症カフェの取り組み内容についての話もありました。
ご家族は、パートナーが認知症と診断されてから変わっていく周りの環境や、生活上の悩み、日々のコミュニケーションの中で心がけていること、また、同じ病気の家族が集える場所があり、悩みを話すことの大切さ等を語りました。
学生たちは話を聞くだけではなく、積極的に質問をする姿もみられました。
時間を忘れるほど会話が弾み、あっという間に時間は過ぎていき、学生と「はるそら」の方々は別れを惜しみつつ交流会は終了となりました。
当事者の方やご家族、専門職などさまざまな視点から話を聞くことができ、これから介護福祉士を目指す学生にとって大きな糧となりました。
若年性認知症とは、従来から言われてきた40歳から64歳に発症した初老期認知症に、18歳から39歳までに発症した若年期認知症を加えた認知症の総称です。
若年性認知症という独立した病気があるわけでなく、発症年齢で区分した概念であるため、認知症を引き起こしている原因はさまざまで病理学的にもいろいろな疾患を含んでいます。このような特性から、高齢者における認知症とは異なった独自の問題点が生じてきます。
2017年度~2019年度に実施した日本医療研究開発機構の調査では、わが国の若年性認知症有病率は18歳~64歳人口10万人当たり50.9人、若年性認知症者の総数は3.57万人と推計されました。(健康長寿ネットより)