学科トピックス
社福 松尾ゼミ 実践者を招いて「ボランティア論」講義を開催~津山市の当事者理解と地域ボランティア活動を学ぶ~
2025年06月17日 社会福祉学科
6月14日(土)、ボランティア論の授業を市内で活躍する実践者を招いて実施しました。午前は、津山市ボランティア交流会の智和 譲さんをゲストに迎え、「体験談からボランティア活動を考える」をテーマにご講義いただきました。智和さんは20年以上にわたるボランティア活動を通じ、支援する側・される側双方の視点に立った活動の意義や課題について具体的なエピソードを交えて熱く語ってくださり、学生たちは真剣に耳を傾けました。
- 視覚障がい当事者から学ぶ「共生社会」
午後からは、岡山県視覚障害者協会津山支部代表であり、視覚障がいの当事者でもある奥西 敦子さんと、津山市社会福祉協議会ボランティアコーディネーター黒田 雄基さんをお招きし、「当事者(視覚障がい者)の理解」をテーマに講義を行いました。
奥西さんは自身の体験をもとに、視覚障がい者が日常生活で直面する様々な困難や、その中で身につけた工夫について具体的にお話しくださいました。例えば、歩行時の安全確保や情報の取得方法、周囲とのコミュニケーションの取り方など、当事者ならではの視点から語られた内容に、学生たちは深く耳を傾けていました。講義の合間には学生からの質問にも丁寧に答えてくださり、「どのように不安を乗り越えているのか」「支援者に望むことは何か」といった、実践的な問いかけが交わされました。
- 体験を通じて深まる理解と共感
その後、アイマスク体験では、学生たちは実際に視覚を遮断された状態での歩行や物の識別に挑戦。慣れない暗闇の中での移動は思った以上に難しく、不安や戸惑いを感じる学生が多く見られました。
「ほんの少しの段差でもつまずいてしまい、視覚の大切さを痛感した」
「助けを求める勇気や周囲の理解がなければ日常生活は非常に困難だと実感した」
と学生たちはそれぞれ普段気付かなかったことを述べていました。
奥西さん自身も体験に付き添いながら、視覚障がい者が直面する緊張感や不安を共有し、支援のポイントについて具体的なアドバイスをしてくださいました。
さらに、津山市内での多様なボランティア活動の実践例も紹介され、地域に根ざした支援のあり方を学ぶ貴重な機会となりました。講義の最後には質疑応答の時間が設けられ、「視覚障がい者の支援で特に心掛けるべきことは?」「地域でできるボランティア活動にはどのような種類があるのか」といった具体的な質問が多く寄せられ、学生たちの理解と関心の深さがうかがえました。
このように、当事者の声を直接聞き、実体験を通じて支援の難しさや重要性を体感することで、学生たちはより実践的かつ共感的な支援者の視点を養うことができました。
本学は今後も地域社会と連携し、多様な視点からボランティアの理解を深め、実践に繋げる取り組みを推進してまいります。