「~ポスト・コロナの新しい社会~」をテーマに本学客員教授 増田寛也氏が地方創生論を語る。
2021年02月03日 イベント
1月24日(日曜)、美作学園創立100周年記念館にて、本学客員教授で前岩手県知事、現在日本郵政(株)取締役兼代表執行役社長の増田寛也氏による地方創生論の講演会が、オンラインで実施されました。
この講演は、地方自治のスペシャリストである客員教授をゲストティーチャーとしてお招きし、一般教養科目『現代生活論』並びに美作地域人材育成プラットフォームの『地方創生論』連続講座を行っていただくものです。
今年度第3回目を増田寛也氏にご担当いただきました。
- 演題『ポスト・コロナの新しい社会』
増田氏はまず、「現在まだ新型コロナ感染症が収まらないこの状況が今後どのように変わっていくか予測し、どのように地方創生に資するような社会につなげていくかが重要である。」と述べ、講演を始められました。
東京都への転出者数と転入者数の推移を比較し、新型コロナが流行りだした2020年4月以降、転出者数が転入者数を上回る水準となっていることを説明され、「2021年は、この特異な状況がどのように変化するか注目している。」と述べられました。
また、この東京都の転出超過の状況は、“テレワーク”の導入が関係しているとし、産業別のテレワーク利用率などのデータから、「テレワークは有効だが、業種や社員数など企業の規模に格差が出ている。」と説明されました。
「テレワーク経験者は、通常通りの勤務者と比べ、『地方移住』『職業選択・副業』等に関する意識が肯定的に変化した割合が高くなっている。しかしその一方で、時々出社する必要があるため東京から転出する行先は東京近郊にとどまっている。」と話され、「地方創生のためにはテレワークを大事にしていきたいが、同時に、地方での生活に関心を持ってもらう工夫が必要。」と強調されました。
地域生活の課題として『医療・福祉』の現状をあげ、「病院数や医師数等については、人口当たりの数は地方圏の方が充実しているが地域差がみられる。遠隔診療が進んでいけば、直接診療を有効に組み合わせることで、一つの医療機関でより広い地域をカバーできる可能性がある。」と述べられました。
また、内閣府の第2期まち・ひと・しごと『総合戦略』の話にも触れ、「地方創生には魅力ある地方大学の創出が重要であり、美作大学には地域の拠点となり、地方創生の中心として進んでいってもらいたい。」と話されました。