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平成28年度卒業式 学長式辞

2017年03月23日 お知らせ

平成29年3月21日
美作大学・美作大学短期大学部
学長 鵜崎 実
 


入学式の写真


 本日、美作大学、美作大学短期大学部、短期大学部専攻科介護福祉専攻、あわせて 380名の皆さんがそれぞれの課程を修了され、卒業、修了いたしました。美作大学、美作大学短期大学部を代表いたしまして、お祝いを申し上げたいと思います。
 ご家族、関係者の皆様には、立派に学問を修められ、成長された姿を目の当たりにして、感慨も一塩のことと思います。心よりお慶びを申し上げたいと思います。
 本日は、宮地昭範津山市長をはじめ、常日頃から本学をお支えいただいている皆様にご臨席を賜り、卒業生の門出を共にお祝いいただきますことは、この上もない喜びでございます。ご来賓の皆様に心よりお礼を申し上げたいと存じます。

 さて、本学は、大学が創設49年、短大が65年の長い歴史を経て、“食と子どもと福祉”の分野において、地域の暮らしを支える人材を育成する大学、短大へと成長してまいりました。それぞれの分野で、教育実績をあげるなかで、幸い『高い教育力をもった美作』とのご評価をいただけるようになりました。
 先般、社会福祉士国家試験の合格発表がありましたが、合格率は、中国四国はもとより九州沖縄を含む西日本の私立大学の中でダントツの第1位となりました。全国の国公立大学28校の平均合格率と比べても10%近く上回っております。詳細は省かせていただきますが、児童学科の小学校教員採用試験の結果や食物学科の管理栄養士国家試験の実績、保育士、栄養士、介護福祉士等の卒業時点での取得率など、どの分野、どの学科においても全国でもトップクラスの教育実績をあげています。
 これらの実績の背景には、本学教育の神髄とも言える重要な教育理念があることを、卒業にあたり一言、お話をさせていただきたいと思います。

 みなさんは、入学した時に、将来どんな仕事に就こうか、おぼろげながらも目標をもっていたと思います。一方で、勉強についていけるだろうか、良い友達ができるだろうか、不安をもっていたのではないでしょうか。ところで、入学したての学生たちから、「勉強についていく」、という言葉をよく耳にします。その言葉通りにイメージすると、この「ついていく」というのはちょっと奇妙な感じがするのですが、分からないでもないので、ここでは使わせてもらいます。
 さて友達ができるかの不安は、本学ではすぐに良い仲間に巡り会うことができるので解決しました。そしてその仲間たちとともに頑張ることで、勉強も克服し、今日を迎えました。つまり、勉強にもついていけました。
 しかし、おそらく本学で学んだことは、「勉強についていくこと」だけではなかったと思います。皆さんは、講義や学外実習を通して、自分がめざす仕事のもつ社会的な役割や意義を知り、その仕事のやりがいを知り、いわゆる「ついていくだけだった勉強」から、「自分からの勉強」、「自発性をもった勉強」に徐々に変わっていったのではないでしょうか。
 本学の教育は、職業理解やキャリアデザインと一体となった、学生の学習意欲を重視した教育に特色があります。勉強するのは学生自身です。受け身で意欲のない学生を前にして教育は成り立ちません。この教育における「正のスパイラル」を作り出せていることが、本学の教育力の源であり、神髄だと感じています。学習への意欲を持つことができれば、卒業後も学びつづけ、専門性を高めることができます。

 本学の教育のもとになるものとして「美作学園の理念」がありますが、その中に、白梅の精神があります。これまでの学びによって、皆さんは専門知識・技能の基礎を身につけました。基礎であるので、まだそれは「白梅のつぼみ」です。しかし皆さんは卒業後も学び続けることで、「白梅を咲かせていく」、そういったことを象徴しているのではないでしょうか。白梅精神に基づく教育は、将来咲きほこるための基礎づくり、土台づくりであり、一生を通した学びの意欲を育て上げることにあるように思います。

 15年程前に、児童学科の卒業生が、卒業にあたって、美作魂という言葉を私たちにプレゼントしてくれました。小学校教員採用試験が大変難しく、現役で簡単には合格できない時代でした。「美作魂」という言葉には、現役合格できなくても教員になる夢は絶対に諦めません!という私たちへのメッセージを含んでいました。この言葉は、本学がかつてより学生のモチベーションを大切にした教育を行っていた証であり、明日への挑戦の礎となる教育を行う本学の白梅の精神に相通じるものがあります。
 
 卒業生が各地で活躍している話を頻繁に耳にします。卒業生の評価はすこぶる高い。これは「つぼみ」が確実に咲きほこっていることを教えてくれます。これこそ、美作魂であり、白梅の教育です。
 本学での学びを基礎として、土台として、地域の暮らしを守る人生へのスタートを切ろうとしている皆さん。あなたたちへの社会の期待は大きいものがあります。そのことを肝に銘じて、新しい社会へのスタートを切って、各地で白梅の花を咲かせていただきたい、これが私たちの願いです。

 皆さんの今後のご活躍とご健闘を切に期待しております。以上をもちまして、式辞とさせていただきます。