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2025年度入学式 学長式辞

2025年04月04日 お知らせ

入学式の様子

 

本日、美作大学短期大学部専攻科、美作大学生活科学部、美作大学大学院にご入学の204名の新入生の皆さん、誠におめでとうございます。本日まで研鑽と努力に励んで入学を果たした皆さんに敬意を表すとともに、日々支えてくださった保護者の皆様、高校の諸先生方に感謝し、心よりお慶び申し上げます。

本日の入学式には、津山市長谷口圭三様、並びに本学後援会長岡本幸之様をはじめ、日頃より本学へ多大なご理解とご支援をいただいているご来賓の方々に多数ご臨席を賜り、新入生を共にお迎えできることは、地域に根差す大学として大変光栄に存じます。お忙しい中誠にありがとうございます。

 

さて、この度皆さんが入学された美作大学は、岡山県県北の主要な都市である津山市に位置しています。津山市は、古くは江戸時代末に宇田川榕菴や箕作阮甫といった優れた蘭学者を輩出した学問の街であり、歴史情緒にあふれる街並みと豊かな自然が広がる場所でもあります。

この津山の地に現在の美作大学短期大学部は1951年に、美作大学は1967年に創設されました。以来、岡山県北部に位置する現在唯一の私立大学として、地域社会の発展に深く根ざした教育を行ってまいりました。

その歩みには、食、子ども、福祉という、人々の生活に不可欠な分野に特化し、地域社会の発展に貢献できる人材を育成するという強い思いがあります。その思いの元、地元岡山県だけでなく中四国、沖縄を中心に地域で活躍する人材をこれまで多く輩出してきました。

本年度も地元岡山県からだけではなく、中四国、九州、沖縄、近畿地方から多数の新入生を迎えています。入学生の過半数が県外生で親元を離れ、この津山の地で新しい生活を始めることとなりました。初めての地で不安なことも多いと思いますが、本学はアットホームな雰囲気を持つ大学です。

生活科学部の学生の皆さんは、これからオリエンテーションウィークが始まり、学科ごとに授業前のオリエンテーションセミナー、通称オリゼミがあります。このオリゼミでは、皆さんが新しい人間関係をスムーズに築いていけるようと、各学科の先輩スタッフが趣向を凝らしたプログラム用意しています。

そして、次週からは授業が始まりますが、4月中には学友会主催の歓迎イベントやクラブ・サークル紹介もあります。そうした日々の授業や行事の中で新しい仲間もでき、スムーズに大学生生活を始めることができると思います。

 

また、美作大学短期大学部専攻科の学生の皆さんは、この3月に本学の短大幼児教育学科を卒業され、この1年間で介護福祉士の資格を目指す勉強をされます。ご存じのように短期大学部の本科は、25年度からの募集を停止し、今年の専攻科の皆さんが最後の専攻科の入学生となります。

私たちは、皆さんのことを誇りに思うとともに、大学・短大のスタッフが一丸となって皆さんを送り出せる体制を作っていますので、安心して目標の資格取得を目指してほしいと思います。

今日ここに集まる皆さんは、食と子どもと福祉の分野でのエキスパートとなることを目標にしています。人口減少、生成AIにみる技術革新によって現在の日本社会が大きく変わりつつある中、食と子どもと福祉の分野は、私たちの日常生活において重要な分野です。これまで本学を卒業していった皆さんの先輩方は、しっかりと知識と技術を身に付け、人々の生活の質の向上において多くの貢献をしてくれています。そうした先輩たちの後に続き、皆さんも本学での学びを通じ、新しい時代に対応できる知識と技能を持った専門職として育ってくれるものと大いに期待しています。

 

皆さんの目指す資格取得のための勉強の中心は日々の学内における座学や実習等が中心となります。しかし、専門的な力を高める学びは、教室での学びだけにとどまりません。本学での教育は、大学における研究や地域貢献活動とも密接に関係しています。

各学科には地域と連携したゼミ活動があり、企業とコラボした商品開発、教育や福祉の現場の方と定期的にかかわるような活動が、特に上級学年の段階ではあります。そこでは皆さんが主体的に課題を見つけその課題を自らの頭で考えるだけではなく、他者とも協働して解決していくことが求められます。

こうした座学だけではなく、実社会の人々と関わって学ぶことは、皆さんの専門職としての力を高めるだけでなく、将来にわたって学び続ける土台作りとなります。

大学生活で皆さんに身に着けてほしいことは、他にも人と関わる力があります。皆さんの目指す専門職の役割は他者に寄り添い、その支えとなることです。本学は、特に学生活動が盛んな大学で、学生自治組織である学友会が主催する学生イベントや、多様なクラブ・サークル活動もあります。

複数のクラブ・サークル活動を掛け持ちしたり、新しく団体を立ち上げて仲間とともに活動したりすることも可能です。学業以外の興味や関心を追求し、仲間との絆を深め、社会性を育む貴重な機会を得ることも大学での学びを充実したものとし、人間的な魅力を高める体験となるので、ぜひ積極的に参加してください。

 

結びに、私は英語を長年学び教えてきたのですが、その中で出会った言葉のひとつにアメリカのルーズベルト大統領のファーストレディーであったエレノア・ルーズベルトの言葉を紹介したいと思います。英語では、The future belongs to those who believe in the beauty of their dreams.日本語で言えば、「未来は自らの夢のすばらしさを信じるものためにある」という言葉です。皆さんの思い描く未来の自分の姿をすばらしいものと信じ、夢の実現のためこれからたくさんの経験を積み、学びを深めてください。

皆さんの美作大学での学びは皆さんの将来への道を開くものとなるだけでなく、将来の日本社会を作り上げていく力となります。本学の豊かな学修環境の中で、皆さんの勉学を支える教職員、そして志を同じくする仲間たちと共に学び、社会に貢献できる力をつけ羽ばたいてください。皆さんの学生生活が実り多きものとなるよう、教職員一同、全力でサポートしていくことを約束します。

本日は誠におめでとうございます。

令和7年4月3日

美作大学・美作大学短期大学部

学長 桐生和幸