Home>新着情報>お知らせ>2024年度入学式 学長式辞

新着情報

News

2024年度入学式 学長式辞

2024年04月08日 お知らせ

 

入学式の様子

 

本日、美作大学・美作大学短期大学部にご入学の250名の新入生の皆さん、入学誠におめでとうございます。大学・短大を代表いたしまして、みなさまにお祝い申し上げます。

 

本年度の入学式は、2019年度以来5年ぶりに保護者の方々にも会場内にお入りいただき式典を執り行うことができました。また、コロナ禍に対応して始まった動画による配信を通じてこの式典をご覧の方もおいでと思います。ご家族

の皆様には心よりご入学のお祝いとお喜びを申し上げます。

 

さて、本日美作大学と美作大学短期大学部、および短期大学部専攻科、大学院に、250名の皆さんが入学されました。地域別には、岡山県から96名、内地元美作地域から87名、高知県から30名、島根県28名、鳥取県24名、沖縄県18名、香川県18名、愛媛県10名などとなっています。このように本学の入学生は、この地域はもとよりですが、中国•四国地方から沖縄まで全国の広い範囲から集っています。

 

多くの学生は、親元を離れて生活することになります。またご家族の皆様もこれまで大切に育てられたお子様を手元から離すことで、心配や不安もおありかと拝察いたします。そのような思いを越えて、みまさかヘの進学の道を選んで下さったことに対し、心より感謝申し上げたいと思います。そして、私たちは、在学生とともに皆さんの不安を受け止め、全力で本学へお迎えしたいと思います。

 

新入生の皆さんは、将来食と子どもと福祉の分野で専門職として働くことを目標に本学を選び、今日この場に集っている大勢の仲間とともにいます。美作大学は1967年、美作大学短期大学部は1951年に開学し、それぞれ57年、73年と半世紀を超える歴史を持つ大学・短大です。本学の淵源となる学校は、1915年、大正時代にできた津山高等裁縫学校です。その時以来、地域のニーズに応え、地域の生活を支える人材育成という観点から改組を行って今日の大学と短大があります。

 

現在は、管理栄養士、栄養士、小学校教諭、幼稚園教諭、保育士、社会福祉士、介護福祉士の資格が取れる課程で構成されており、本学で学んだ卒業生たちの8割以上が専門職の資格を活かした仕事についています。また、県外出身の学生の半数以上が出身県に戻り、専門職として地域の暮らしを支える活躍をしています。

 

食と子どもと福祉の分野の専門職となるためには、資格の取得が前提となります。栄養士、小学校教諭・幼稚園教諭、保育士は、所定の科目を取得し卒業することで資格が得られますが、管理栄養士や社会福祉士、介護福祉士は国家試験を突破して初めてその資格が得られます。また、正規の教諭となるためには教員採用試験に合格する必要があります。大学では4年次にこれらの関門が待ち受けているのですが、国家試験、教員採用試験ともに美作大学は高い実績を維持し続けています。

 

そこには、本学ならではの学びの環境があり、視察に来る他の大学からはなかなかまねができない、という言葉をいただいています。そうした美作メソッドのもと本学の学生たちは、日々学習に励んでいます。

 

地域の人々の生活を支える専門職になるには、教室での学びだけではなく、地域社会が直面している課題に関心を持ち、地域の人々・教員との協働のもとに、課題解明・解決に取り組む力を培うことが肝要です。本学の教育のモットーは、「地域をキャンパスとした教育」です。企業とコラボしたお弁当開発、小学校における学習サポートの取り組み、城東地区における3世代交流事業へのかかわり、子育て世代との交流事業など、さまざまに大学が学生とともに地域とかかわり、地域に貢献している取り組みが様々あります。ぜひ皆さんもこういった地域と連携した取り組みに参加してください。実学実践の姿勢で知識だけでは得られない体験に基づいた専門知を形成してください。

 

現代の日本社会は、昭和・平成を経て大きく変化してきています。ChatGPTをはじめとする生成AIの登場は、多くの職業が機械にとってかわられる可能性を我々に突き付けています。また、少子化による人口減の中、外国籍の在留者も増え、多様な背景を持った人たちと共生する社会へと変化しつつあります。みなさんは、このような現状の中、どのような専門職を目指すのでしょうか。本学が育成する人とかかわる職業は、機械によって取って代わられる可能性が低いと言われています。しかし、新しい時代の社会のニーズにこたえられる専門職としてICTを活用する力、物事を多面的に捉え、多様な人に寄り添って考える力が求められています。

 

私は新学長として、今後の新しい時代を生きる皆さんが身に付けるべき知識と技能を教授できる大学へと持続して進化できるよう、これからの6年間で達成すべき目標事項を整理した「美作大学ヴィジョン2030」を策定しました。今後も地域のニーズに合わせた学科構成の改編や教育プログラムの改革及び組織体制の改編に取り組んでいきます。

 

改革の中、短期大学部は、本年度に入学した学生の卒業をもって、また、専攻科は、次年度入学した学生の修了をもって、教育の灯を消すこととなりました。短期大学部が培ってきた教育力のすべてを結集し、本日入学した皆さん全員が卒業後就職し「やはり美作出身者だけある」と言われるだけの卒業生として社会へ巣立っていけるように短期大学部の教職員だけでなく、大学生活科学部の教職員とも連携・団結して、しっかりと教育を展開していく覚悟でおります。ですので、短期大学部・専攻科へ入学した新入生の皆さん、また、保護者の皆様、どうぞご安心ください。

 

みなさんがこの大学で過ごす日々は、ただ知識を得るだけでなく、自ら問いかけ、主体的に学び、仲間との協働を通して成長していく素晴らしい経験になることでしょう。困難な時期もあるかもしれません。しかし、その中で培われる強さと知恵こそが、将来のあなたたちを一層素晴らしい人材へと育て上げてくれます。

 

最後になりますが、学び舎であるこの大学は学生が夢を追いかけながら、同じ志を持った仲間とともに自らの可能性を広げることのできる場です。新しい自分を見つけることのできる場です。みなさんには頼れる先輩や教職員がいます。自分自身を信じ、失敗を恐れず、前向きな姿勢で、教員や仲間とともにいろいろなことにチャレンジしてみてください。どうか、一人一人が輝く未来を築くために、努力と信念をもって日々を過ごしていただきたいと願っております。本学の教職員一同、そんな皆さんの思いに寄り添い、みなさんをしっかりとサポートして行く所存です。

 

どうか、一人一人が輝く未来を気付くために、努力と信念をもって日々を過ごしていただきたいと願って、私からの式辞といたします。

 

本日は、誠におめでとうございます。

 

 

令和6年4月3日

美作大学・美作大学短期大学部

学長 桐生和幸