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皆様の卒業にあたって（式辞）

 

本日、美作大学、美作大学短期大学部、短期大学部専攻科介護福祉専攻並びに美作大学大学院の合計317 名の皆さんがそれぞれの課程を修めて、卒業、修了致しました。
美作大学、美作大学短期大学部を代表いたしまして、お祝い申し上げます。

 

ご家族の皆様には、立派に学問を修められ、成長された姿を目の当たりにされて、感慨も一しおのことと思います。あらためて心よりお慶びを申し上げたいと思います。
ここ3 年にわたって続いたコロナ禍は本学の教育や学生活動にも大きな影響を与えました。しかし、そんな中でも卒業生の皆さんは困難に怯むことなく勉学に励み、将来の夢の実現に向けて逞しく学生生活を過ごしてきたように思います。

 

 

皆さんの努力の成果の一端を紹介させていただきます。社会福祉士国家試験では、全国の私立大学123 校中、合格率堂々１位の成績を残しました。また近々発表されます管理栄養士国家試験でも自己採点で高い合格率が予想されています。その他、教員や公務員職の採用試験でも健闘が目立っています。また、数字には表れない様々な学修や学生生活の一つ一つにおいて逆境をものともしない皆さんの頑張りがあり、それは目を見張るものがありました。

 

あなた方が、コロナ禍にめげることなく、「教育のみまさか」の歴史に新たな1 ページを刻んだことに対して、ここに、心より敬意を表したいと思います。困難にめげない本学学生のパワーは、本学教育の神髄となっていることを、卒業にあたり一言、お話をさせていただきたいと思います。

 

みなさん、入学した時を思い起こしてください。将来どんな仕事に就こうか、おぼろげながらも目標をもっていたと思います。一方で、勉強についていけるだろうか、良い友達ができるだろうか、不安をもっていたのではないでしょうか。友達ができるかの不安については、本学ではすぐに良い仲間に巡り会うことができますので、その心配は吹き飛びました。そしてその仲間たちとともに勉強を克服し、今日を迎えました。つまり、勉強にもついていけました。

 

しかし、おそらく本学で成し遂げたことは、「勉強についていくこと」だけではなかったと思います。皆さんは、講義や学外実習を通して、自分がめざす仕事のもつ社会的な役割や意義を知り、その仕事のやりがいを知り、いわゆる「ついていくだけだった勉強」から、「自らの勉強」、「自発的な勉強」に徐々に変わっていったのではないでしょうか。

勉強するのは他ならぬ学生です。受け身で意欲のない学生を前にして教育は成り立ちません。学習意欲の高い学生と、それを真正面から受け止めそれに応えようとする教員たちの存在。この両者の存在が、教育における「正のスパイラル」を作り出している。このことが本学の教育力の源であり、神髄であります。

 

最後に、卒業にあたって皆さんに将来に向けたメッセージをお伝えしたいと思います。それは、本学での学びをもとに、広い視野、人類的な視野をもって人生を歩んでほしいということです。人類の歴史を振り返ってみれば、そもそも大学や短大は、人々に物心両面の豊かさをもたらし、人類の進歩発展のために大きな役割を果たしてきました。しかし、皆さんが生きて行くこれからの人類社会は順風満帆かというと、必ずしもそうではないだろうと世界の多くの人々は指摘しています。人類の未来にはむしろ危機があるとの認識です。ウクライナへの軍事侵攻や核兵器の使用をほのめかすと言った行為、言動も人類の生存を脅かす蛮行です。本学の沖縄県人会が祖先の思いを受け継ぎ平和と命の大切さを伝えていること、皆さんは知っています。

 

食と子どもと福祉の分野にも解決が求められる様々な課題があり、人類の持続的発展の課題を提示するSDGs においても重要課題として取り上げられています。皆さんには、食と子ども、福祉の分野で未来を展望し課題の解決に取り組み、新しい社会を築いて欲しいと思います。

卒業生が各地で活躍している話を頻繁に耳にします。卒業生の評価はすこぶる高い。本学で培った専門性と使命感、そして広い視野、これを「つぼみ」とすれば、それが社会に出て確実に咲きほこっていることを教えてくれます。これこそ、白梅魂であり、本学の教育であり、私たちにとっての誇りでもあります。

 

 

本学での学びを基礎として、土台として、地域の暮らしのために、その人生のスタートを切ろうとしている皆さん。あなたたちへの社会の期待は大きいものがあります。そのことを肝に銘じて、各地で白梅の花を咲かせていただきたい、これが私たちの願いです。皆さんの今後のご活躍とご健闘を切に期待しております。以上をもちまして、式辞とさせていただきます。

 

 

2023 年3 月21 日
美作大学、美作大学短期大学部
学長 鵜﨑 実