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2021年度卒業式 学長式辞

2022年03月23日 お知らせ

 

学長

 

 

本日、美作大学、美作大学短期大学部、短期大学部専攻科介護福祉専攻並びに美作大学大学院の合計328名の皆さんがそれぞれの課程を修めて、卒業、修了致しました。美作大学、美作大学短期大学部を代表いたしまして、お祝い申し上げます。

 

新型コロナの感染防止のため、卒業式会場には卒業生と教職員のみの参加とさせていただいています。ご家族の皆様には別会場において卒業式の様子を、スクリーンを通してご覧いただいています。またYouTubeでの中継をご覧いただいている方もおられます。

 

ご家族の皆様には、立派に学問を修められ、成長された姿を目の当たりにして、感慨も一塩のことと思います。あらためて心よりお慶びを申し上げたいと思います。

 

さて、本学は、大学、短大とも創立から半世紀以上の長い歴史を経て、“食と子どもと福祉”の分野において、地方の暮らしを支える人材を育成する大学、短大へと成長し、今や、本学はこの分野の人材育成において“地方大学有数”の存在になりました。

それは高い教育成果が実証しています。

 

食物学科の管理栄養士国家試験、社会福祉学科の社会福祉士国家試験、児童学科の小学校教員採用試験、短期大学部の保育士、幼稚園教諭、栄養士、介護福祉士の取得などに向けて、あるいはその意外の道をめざす方々を含めて、皆さんは、本当に立派に、努力を重ね、実力を身につけました。そしてどの分野、どの学科においても全国でも上位の有数の実績と成果をあげました。

 

これらの実績の背景には、本学教育の神髄とも言える重要な教育理念があることを、卒業にあたり一言、お話をさせていただきたいと思います。

 

みなさん、入学した時を思い起こしてください。将来どんな仕事に就こうか、おぼろげながらも目標をもっていたと思います。一方で、勉強についていけるだろうか、良い友達ができるだろうか、不安をもっていたのではないでしょうか。友達ができるかの不安については、本学ではすぐに良い仲間に巡り会うことができますので、すぐにその心配は吹き飛びました。そしてその仲間たちとともに勉強を克服し、今日を迎えました。つまり、勉強にもついていけました。

 

しかし、おそらく本学で学んだことは、「勉強についていくこと」だけではなかったと思います。皆さんは、講義や学外実習を通して、自分がめざす仕事のもつ社会的な役割や意義を知り、その仕事のやりがいを知り、いわゆる「ついていくだけだった勉強」から、「自らの勉強」、「自発的な勉強」に徐々に変わっていったのではないでしょうか。

 

勉強するのは他ならぬ学生です。受け身で意欲のない学生を前にして教育は成り立ちません。学習意欲の高い学生と、それを真正面から受け止めそれに応えようとする教員たちの存在。この教育における「正のスパイラル」を作り出せていることが、本学の教育力の源であり、神髄であります。

 

 

ここで、卒業にあたって皆さんに将来に向けたメッセージをお伝えしたいと思います。

それは、本学での学びをもとに、広い視野、人類的な視野をもって人生を歩んでほしいということです。

 

人類の歴史を振り返ってみれば、そもそも大学や短大は、人々に物心両面の豊かさをもたらし、人類の進歩発展のために大きな役割を担ってきました。

 

しかし、皆さんが生きて行くこれからの人類社会は順風満帆かというと、必ずしもそうではないだろうと世界の多くの人々は指摘しています。人類の未来にはむしろ危機があるとの認識です。そこで人類社会の持続を可能とするために17の目標が謳われました。それがSDGsです。SDGs、皆さんが入学して以来よく耳にしている言葉です。本学も、人類の困難を乗り越える未来を支える人材を育てる決意を込めて2018年11月にSDGs宣言を行いました。

 

未来を展望した時に、食と子どもと福祉の分野にはそれぞれ解決が求められる様々な課題があり、それはSDGsにおいて、重要な課題として取り上げられています。ところで、その16番目の項目には平和な社会をめざすことが取り上げられています。ウクライナへの軍事侵入はどのような理由があるにせよ、あってはいけないことであります。本学の沖縄県人会は祖先の思いを受け継ぎ平和と命の大切さを伝えていること、皆さんは知っています。

 

さて、このように人類が多くの課題を抱える中で、皆さんの多くは食と子ども、福祉の分野で仕事をし、新しい社会を担っていきます。

 

卒業生が各地で活躍している話を頻繁に耳にします。卒業生の評価はすこぶる高い。本学で培った専門性と使命感、そして広い視野、これを「つぼみ」とすれば、それが社会に出て確実に咲きほこっていることを教えてくれます。これこそ、白梅魂であり、本学の教育であり、私たちにとっての誇りでもあります。

 

本学での学びを基礎として、土台として、地域の暮らしのために、その人生のスタートを切ろうとしている皆さん。あなたたちへの社会の期待は大きいものがあります。そのことを肝に銘じて、各地で白梅の花を咲かせていただきたい、これが私たちの願いです。

 

皆さんの今後のご活躍とご健闘を切に期待しております。

以上をもちまして、式辞とさせていただきます。

 

 

                 2022年3月21日

                     美作大学、美作大学短期大学部

                        学長 鵜崎 実