太平洋戦争末期の沖縄戦が終結したされる6月23日「沖縄慰霊の日」を前に、本学沖縄県人会の1・2年生58人が6月17日(日曜)、創作劇「時をこえ」を上演しました。
地域の方々、学生や教職員約350人が来場し、戦争に巻き込まれ多くの人が命を落とした悲劇を心に刻み、学生たちの「平和を願う強い思い」を受け取り、あらためて平和のすばらしさを感じていました。
本学の沖縄県出身学生は、今年度102名。
沖縄県出身の学生が、岡山で沖縄慰霊の日があまり知られていないことに驚き、多くの人々に「慰霊の日」を知ってもらい、平和の尊さを伝えようと2013年から毎年創作劇の上演をしています。
県人会のメンバーは、6.23実行委員会を結成し、3月上旬から「沖縄県平和祈念資料館(沖縄県糸満市)」を訪れ、沖縄戦を体験された方の手記を読み、当時の写真・映像などを見て台本づくりをはじめました。4月下旬から授業の合間をぬって、始業前・昼休み・放課後と練習を重ね、本番に挑みました。
劇の舞台は、沖縄。主人公の「おばぁ」が73年前のできごとを孫たちに語るところから劇は幕を開けました。「おばぁ」の戦争当時の回想が主なストーリーとなっています。
「お父さんはお国のために、兵隊さんになるんだ」と喜ぶ子どもたち、たくさんの民間の人を巻き込んだ空襲、戦地で負傷した兵士たちの手当てをする「ひめゆり学徒隊」の献身的な姿などそれぞれのシーンで学生たちが熱演しました。
「降伏することは許されない」と教えられ集団自決を迫られ、どうにか生き抜こうとするが、米軍の攻撃を受けてしまい、主人公だけ生き残る場面では、観衆からすすり泣く姿もみられました。
劇の最後には、沖縄伝統芸能「エイサー」を披露し、締めくくりました。
戦争を経験してない学生たちが「世代を越えて語り継がねばならない」と戦争の悲惨さと平和の尊さを懸命に伝えようとする姿に、目頭を押さえる観客もいました。
沖縄に於いて日本軍による組織的な戦闘が終わったとされる6月23日。
今年度は土曜日にあたりますが、大学玄関前では沖縄県人会のメンバーが中心となり、「沖縄戦での追悼」と「平和であることに感謝」して、沖縄に向かって黙とうをささげます。
沖縄県人会6.23実行委員会は「平和であることの喜びを感じ、多くの方とぜひご一緒に祈りを捧げたいと思います。」と呼びかけています。
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