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食の分野

栄養学科

[栄養士養成課程]

[食物・栄養]1年次セミナー「栄養士のキャリア・デザイン」講演会を実施(1/21・22)

2014年01月23日栄養学科

1年次セミナーで「栄養士のキャリア・デザイン」講演会が行われました。


平成26年1月21日(火)・22日(水)、本学にて、外部講師による「栄養士のキャリア・デザイン」の講演が行われ、食物学科1年生・栄養学科1年生が受講しました。

本学の特色のある授業「1年次セミナー」の一環で行われました。


「栄養士のキャリア・デザイン」講演会の写真本学には「1年次セミナー」という、1年生を対象とした、学生生活ならびに大学における勉学の基礎力の形成を目的とする授業があります。
全学科合同のセミナー、または各学科で行うセミナーを通して、大学での勉学の仕方を学ぶだけでなく、食生活や自分の身の守り方(心と身体・防犯面)、悪徳商法への対処方法等、生きていくうえで必要な人間力をも養います。

そして、今回の「栄養士のキャリア・デザイン」は1年次セミナーの一環として行われ、食物学科・栄養学科1年生が参加しました。


栄養士のキャリア・デザイン


当日は医療法人社団恵正会 医療事業部栄養部門 部門長特定非営利活動法人あいあいねっと(フードバンク広島)理事長原田佳子氏を講師としてお招きし、『“もったいない”のない社会へ フードバンクと助けあい支えあいのまちづくり』をテーマに、食品ロスの現状やフードバンクの活動内容、世帯保護率や日本の食料自給率等の社会的背景などについてお話いただきました。

原田氏は、大学卒業後、日本で第一号の学校栄養職員(広島県)としてご活躍。その後病院の管理栄養士のご経験を経て、現在は医療法人社団恵正会医療事業部栄養部門の部門長をされています。

「栄養士のキャリア・デザイン」講演会の写真原田氏が病院の管理栄養士として高齢者と接する中で、経済的事情で食事に困難を抱える高齢者の栄養指導件数が増加したことなどがきっかけとなり、2007年に勤務先医療法人のCSRとして「NPO法人あいあいねっと(フードバンク広島)」を設立。
それらの活動により広島県安佐医学会コメディカル部門学会賞や日本栄養士会栄養改善功労賞などを受賞されました。

この「フードバンク」とは、食品関連企業や農家、個人の方々から余剰食品を寄贈していただき、生活に困窮している人々を支援しているグループに分配する活動を行う団体です。
(余剰食品:企業や農家が規格外・返品などの理由で販売できない商品や、個人が買ったりもらったりしたけれど、食べない商品。)

食べられる状態であるにもかかわらず捨てられる食品=“もったいない食べ物”を「食品ロス」と呼び、この「食品ロス」は日本では年間約500〜800万トンと推計され、平成24年度の日本の米の生産高の約850万トンに匹敵する量が本来食べられるのに廃棄されています。
その多くは賞味期限が迫ったものより、むしろ包装に傷があったり店頭で販売する規定の重さに対して過不足があったりと、品質上は問題ない食品の廃棄が目立ちます。

さらに、生活困窮者の増大や主要国中最低の食料自給率(40%未満)で多くの食料を輸入している現状に加え、東日本大震災や福島原発事故の影響もあり、現在の日本は課題が山積みとなっています。

そんな中、フードバンク活動が全国的に増加・活発化し、原田氏が設立されたNPO法人あいあいねっと(フードバンク広島)では、地域活性化高齢者支援をミッションに、レストラン事業や配食サービス事業などを通して、生活困窮者の食の救済食品ロスの削減だけでなく、地域の絆を強める活動(地域の人々の居場所づくりなど)にも取り組んでいます。

あいあいねっとが取り扱った“もったいない食料”のトン数は年々右肩上がりとなり、現在では、食品メーカーや電力会社、医療法人などの33団体からの食料が、生活困窮者支援団体や自立支援団体などの27団体に分配されるようになりました。

これからはフードバンク活動の安定・拡大を図ることが目標であり、そのためには食のプロである「栄養士」「管理栄養士」の資格が欠かせないと話されます。
最後に、栄養士や管理栄養士をめざす本学の学生たちに向けて、「日本の現状や今後求められるものなど、社会の動きに敏感になってほしい」とアドバイスされました。


貴重なお話をありがとうございました。


「栄養士のキャリア・デザイン」講演会の写真「フードバンク」について知っている学生は少なく、ほとんどの学生が初めて聞く話となりました。

学生たちは非常に熱心に聞き入り、食物学科1年 茶園(ちゃぞの)さん(香川県坂出第一高校出身)は、
「“フードバンク”は初めて聞きましたが、高校の頃に配送サービス事業について知り興味があったので、今回のお話は共通するところがあり、とても興味深かったです。フードバンクの活動の一つである“食料をあまり購入せずに限られた食材で献立を作る”ということは、とても難しいことだと思いますし、私たちも授業などで体験してみたいと思いました。」
同じく食物学科1年 吉田さん(鳥取県立岩美高校出身)は、
「授業では学校給食や施設の食事などを習うので、“フードバンク”のような、学校や施設以外の活動について聞くのは初めてで、貴重な機会でした。管理栄養士を目指す私にとってとても興味深いお話でしたし、進路の幅が広がったように思います。」と話しました。

今回の講義は学生たちにとって大変有意義な機会となりました。学生たちが感じたことや得た知識は、将来管理栄養士、栄養士としての活躍の一助となることでしょう。

原田先生、貴重なお話をありがとうございました。

:-)

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