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【研究調査報告】フランツ・リスト国際ピアノコンクールを現地で調査

2026年09月28日 児童学科

2026年9月、美作大学生活科学部児童学科の高久新吾教授が、ハンガリー・ペーチで開催されたフランツ・リスト国際ピアノコンクールを現地調査しました。予備審査からセミファイナル、ソロファイナル、オーケストラファイナルまで継続して視察し、課題曲の構成や出場者の演奏、楽器と会場の環境を記録しました。

 

<フィルハーモニア・ハンガリーの関係者との対談後に撮影。左からユディト・ナジ氏、ダーニエル・ジェトヴァイ氏、高久教授、ゲルゲー・ラーツ氏>

 

  • 国際ピアノコンクールにおける課題曲と演奏環境を調査

高久教授はこれまで、国際ピアノコンクールの課題曲が、出場者の選曲や演奏、審査にどのように関わるかを研究してきました。今回の調査では、リスト作品を中心に据えたコンクールの全日程を視察するとともに、運営に携わる関係者から直接話を聞きました。

主催団体フィルハーモニア・ハンガリーでは、大会事務局のゲルゲー・ラーツ氏、広報・プログラム担当のユディト・ナジ氏、制作担当のダーニエル・ジェトヴァイ氏との対談が実現しました。

 

<左:コンクール会場となったコダーイ・センター(ハンガリー・ペーチ)>

<右:会場の舞台に設置されたスタインウェイと、演奏者の手元を客席に映すスクリーン>

 

高久教授が、出場者全員が同じスタインウェイを使用する理由を尋ねたところ、主催者側からは、コンクール専用に新品のピアノを1台用意して調整し、全員に同じ演奏条件を提供しているとの説明がありました。この方式では、出場者は複数の楽器から選ぶのではなく、共通の楽器でそれぞれの表現を実現します。高久教授にとって、楽器の条件と演奏評価の関係を考えるうえで重要な知見となりました。

舞台上のピアノの配置について、主催者側は、鍵盤ではなくピアノ本体を舞台の中央に置き、客席への音の届き方を重視していると説明しました。また、客席から演奏者の手元を見るための大きなスクリーンについては、映像のわずかな遅れや、スクリーンが演奏者の視界に入ることも対談の話題となりました。高久教授は、楽器の調整に加えて、舞台配置、音響、映像を含めて演奏環境を捉える必要性を確認しました。

 

  • 同じ課題曲から見える演奏者それぞれの表現

ソロファイナルで出場者全員がリストの《ロ短調ソナタ》を演奏する理由について、主催者側は、コンクールで続いてきた伝統であると説明しました。高久教授は、同じ作品を複数の演奏者によって続けて聴くことで、解釈や表現の違いを比較できたといいます。予備審査からオーケストラファイナルまでを通して視察したことも、各段階の課題曲が演奏者に何を求めているかを考える機会となりました。

 

  • 今後の比較研究に生かすために

 

滞在中には、フィルハーモニア・ハンガリーの歴史を伝える書籍も贈呈されました。高久教授は、現地での観察記録、関係者への聞き取り、公式プログラムなどの資料を整理し、国際ピアノコンクールの比較研究に生かしていく予定です。

 

・贈呈されたフィルハーモニア・ハンガリーの歴史に関する書籍
・コンクールの公式プログラム
・当日配布された出演者・演奏曲目の資料

 

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