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美作大学公開講座「誰もが安心して暮らせる社会をめざして」の講座の様子(9/2)

2011年09月08日お知らせ

美作大学公開講座「誰もが安心して暮らせる社会をめざして」


美作大学・美作大学短期大学部では、社会人に開かれた大学として毎年秋に公開講座を開講しており、本年度は、岡山県生涯学習大学からの委託による一般市民対象の講座「誰もが安心して暮らせる社会をめざして」と題した講座を実施しています。

今回は、9月2日(金)に行われた講座「コミュニケーション〜傾聴を中心に」「笑いヨガ」の様子をご紹介します。

「コミュニケーション〜傾聴を中心に」堀川涼子准教授


午前中は本学社会福祉学科 准教授 堀川涼子先生による「コミュニケーション〜傾聴を中心に」の講座です。

公開講座の写真コミュニケーションを行うために求められるのが「傾聴」
“聴”という字が「耳」「十」「目」「心」から成るように、「傾聴」というのは、「耳」と「目」と「心」を十分傾けて、注意深く、一生懸命に聴くことをいいます。

「こちらの聴きたいこと」ではなく、「相手の言いたいこと、伝えたいと思っていること」を深い思いやりと温かい心で受けとめ、同時に話し手に関心を払い、その人を大切に思う。
そんな特別なコミュニケーションの方法です。


今回の講座では“傾聴モードになろう”をテーマで演習を含めて説明されました。


みなさんならどのように答えますか?


演習の一部をご紹介します。

みなさんは、「カレーライスの作り方を教えてください。」と言われたらどのように答えますか?
“傾聴を意識して”考えてみてください。

演習ではほとんどの方が、
Aさん:「カレーライスの作り方を教えてください。」
Bさん:カレーライスの材料や調理方法を丁寧に説明…

という会話をされていました。

そこで考えてみましょう。
AさんとBさん、どちらが傾聴しているでしょうか?
みなさん“Aさんが作りたいカレー”ではなく、“Bさんが教えたいカレー”の説明をされました。

では、傾聴すべきなのはどちらでしょうか?

<回答例>
よくよくAさんの話を聞いてみると、Aさんは実は「入院している父親が一時帰宅する。そのときに、今は亡き母親が昔作ってくれたカレーを父と一緒に食べたい。」という思いがあり、カレーライスの作り方を尋ねました。
でもAさんは、カレーライスの作り方が聞きたかったのではなく、「そうですね、きっとあなたの気持ちを喜んでもらえますよ。」という言葉がほしかったようです。

ほとんどの方が、カレーライスの作り方は知っています。
「教えてください」と相談したAさんと、相談されたBさん。
人は知識があるほど言いたくなるものですが、ここでは、「なぜAさんはそのような質問をしたか?」を聴いたほうがよいでしょう。

尋ねる側の事情がわからなければ、相手の求めているものがわかりません。
どのような状況なのかを確認し、お互い理解し合って初めてコミュニケーションがなりたつのです。

“傾聴”という言葉の説明を聞いたときは頭では納得していましたが、いざその場面になるとスムーズにできないものですね。

誰もが安心して暮らせる社会をめざして


堀川先生は、以前ケアマネージャーをされていました。
「このしんどさが、元気なおまえにわかるか!」と要介護高齢者に度々怒鳴られることがあったそうです。
もちろん堀川先生にはわかりません。
でも先生は、「あなたがしんどいと思っていることは、私はわかりたいと思っていますよ。」と、常に相手の気持ちに寄り添って来られました。

そんな堀川先生のお話でとても印象的だったのが、ある認知症のご夫婦のお話です。

妻は認知症から何度も何度も同じことを言い、夫はいつも「そうか、そうか」と相槌を打っておられたそうです。
妻は“話をしたい”という欲求があり、夫は、それを受けとめつつも深く追求しないのでストレスに感じない。
そんなご夫婦の姿がとても印象的だったそうです。

そのような思いやりの気持ちを一人でも多くの人が持つことで、もっともっと暮らしやすい人々が増えていくのでしょう。
「誰もが安心して暮らせる社会」というのは、“相手の状況を推し量り、思いやる気持ち”から成り立っていくものなのかもしれません。


「笑いヨガ」直原一美先生


午後は社会福祉学科 直原一美先生による「笑いヨガ」の講座です。

公開講座の写真笑いヨガというのは「笑いの体操」「ヨガの呼吸法」を組み合わせたもので、誰でも無理なく笑える健康法です。
作り笑いでも自然に笑っても脳は区別がつかないので、健康への効果は同じです。


笑いは副作用のない薬です


この講座では、どすこい笑い・ライオン笑い・自己紹介笑い・セレブ笑い・宝くじ笑い・ウェーブ笑い…etc.たくさんの種類の笑いを実践しました。
はじめは作り笑いで少し緊張気味だった受講者の方も、目を合わせて大きな声で笑いあうことで、次第に自然な笑いへと変わっていきました。

公開講座の写真ライオンのまねをしながらの笑い、セレブのような高ら笑い、宝くじに当たった人になりきった笑い。

みんなで一斉に笑っているので、見た目は楽しそうな光景に見えるのですが、実はこの笑いヨガ…相当しんどいそうです。

「笑う」には腹式呼吸をします。5分笑い続けると汗がいっぱいでてくるんですよ。

そして腹式呼吸には、“肺の能力を高め、血液に酸素を運ぶ”・“セロトニンという脳内物質が放出され、精神安定効果がある”という効能があるのです。

受講者の方の感想


講座が終わったあと、受講者の方から下記のような感想をいただきました。
・心の底から笑った
・これだけ汗が出るような体全体を使った笑いは初めてです
・最初は恥ずかしかったけど、あとがとても気持ちよかった
・体だけでなく、精神面の体操になった …etc.

笑いは副作用のない薬です。
たくさん笑って身も心も元気いっぱいでいたいですね。



この講座は9月10日(土)まで全8講座行われます。
受講者のみなさま、お疲れさまでした!

:-)