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[美作大学BBS会]家庭裁判所調査官による講演会を実施しました。(9/28)

2012年10月03日お知らせ

美作大学BBS会主催「家庭裁判所調査官による講演会」が行われました。


家庭裁判所調査官による講演会の写真平成24年9月28日(金)の放課後、美作大学BBS会主催「家庭裁判所調査官による講演会」が行われ、学生約20名と津山市の保護司の方約40名が参加しました。


美作大学BBS会とは


BBSBig Brothers and Sisters)」とは、保護観察中の少年少女たちに対して、同世代の友だちのような存在として一緒に悩んだり学んだりするボランティア活動で、全国的に実施されています。

そして本学の学生たちによる「BBS」は平成23年6月に発足し、地域の保護司の方々と連携して、保護観察中の少年少女と友達のように関わったり施設を訪問したりするほか、定期的に自主研修を開催して、活動を行う上での知識や技術を身に付けるなど、自己研さんに努めています。

今回はBBSの活動をしている学生から“家庭裁判所の仕事について知りたい”という声があがり、保護司の方を通じて家庭裁判所に依頼。BBS会の定例研修会の一環として、この講演会が実施されることとなりました。


講演「少年事件の調査・審判・処遇」(岡山家庭裁判所 矢代龍雄次席家庭裁判所調査官)


裁判所調査官による講演会の写真講演会には岡山家庭裁判所 次席家庭裁判所調査官 矢代龍雄氏を講師としてお招きしました。
矢代氏は30年調査官の仕事をされており、今年4月に岡山市に赴任して来られました。

講演では「少年事件の調査・審判・処遇」と題し、
家庭裁判所が扱う事件にはどのようなものがあるか
家庭裁判所は全国にいくつあり、調査官は何人くらいいるか
調査官は月に何件くらい調査しているか
少年審判とはどのようなものか(成人刑事裁判との違い)
少年審判手続きの流れ
  …等をお話いただきました。

以前は、“中2非行デビュー”と言われていましたが、最近は小学生が非行に走るケースが増えています。
調査官はそれら非行に走った少年少女について、事件のことや少年少女の性格、生活状況、環境などの調査をしたり、関係者との面接を行うなどし、“なぜ” “この子が” “今” “この非行を”を調査。その結果を「少年調査票」にまとめていきます。

その結果、少年事件の約6割は保護観察や少年院送致などの処分がなく、家庭裁判所で終局を迎えているのが現状ですが、調査官はその6割の少年少女に対して、非行除去のための教育をも施しています。
例えば、暴力事件を起こした場合は“医師による暴力についての講義”を実施したり、万引きをした場合は、お店の経営者から直接“万引きによる影響”についてお話いただいたりすることで、犯した非行の大きさについて理解させ、二度と同じ過ちを繰り返さないように指導しています。

犯したことを償うための成人刑事裁判と異なり、少年審判というのは、“将来同じことを繰り返さないようにするため”のものなのです。

最後に矢代氏より本学の学生たちに対して、「非行を犯した少年少女と世代の近い学生が接することで、健全な生活とは何かを気づかせる機会になります。小さなことからでもいいのでボランティアなどに少年少女と一緒に参加し、引っ張っていってほしい。また、在学中は基礎学力をしっかりと身に付け、幅広く学ぶ機会を持ってほしい。いい本やいい絵、いい音楽に触れることも大切です。」と話されました。


貴重な講演をありがとうございました。


今回の講演会は、美作大学BBS会の学生をはじめ、福祉のまちづくり学科(H23年度入学生より社会福祉学科)の学生たちも聴講。
質疑応答の写真非常に熱心に講演を聴き、
・小学校の先生を目指しているが、もし将来教え子が非行を犯したら、先生としてどのように振舞えば良いか
・調査官は人手不足だというお話があったが、どの程度人が足りていないのか
・家庭裁判所が行う被害者支援にはどのようなものがあるのか
・不処分だった場合と少年院送致になった場合の再犯率は違いがあるか
 等、次々と質問が投げかけられました。

その回答の中で矢代氏は、「いつか立ち直ってくれると信じなければ、こういう仕事はできない」と日々の思いを話されました。

BBS会会長小椋さんの写真美作大学BBS会の会長を務める児童学科3年 小椋さん(岡山県立津山高校出身)は、「普段は保護司の方に同行し、保護観察中の少年少女と友だちのように接したり、児童館のイベントにボランティアで参加したりしていますが、まだまだ知識不足を感じています。今回の矢代氏の講演は、BBS会の活動だけでなく、将来小学校教員を目指していることもあり、とても有益な内容となりました。」と、とても勉強になった様子。

(美作大学BBS会 会長 小椋さん)

小学校教員をめざす学生にとっても福祉関係の職をめざす学生たちにとっても大変貴重な時間となりました。

:-)