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写真:話を真剣に聞いている園児たち

園の取り組み

Efforts

美作大学との連携

COLLABORATION

写真:美作大学の校舎を望むグラウンドの芝生の上でお弁当を食べる園児たち

大学児童学科の学生、短期大学の幼児教育学科の学生の実習園として、学生と園児との、あたたかい交流は深く、大学の附属幼稚園としての環境のもと楽しい経験をしています。同時に美作大学教員と幼稚園教員の連携も深め、相互に研究、協力を進めながら学生の卒論・総合演習等での研究への協力も行っております。大学附属幼稚園として、未来の教育者の育成に加わる事で、幼児教育の意義を深め、のびのびとしたこどもとなる基礎の育成に努めています。

研究アドバイザー

群れ遊びについての思い

わたしが小学生の頃は、住んでいたところが田舎だったこともあり、日が暮れるまで、いつも友達と小学校や近所の神社、田畑で遊んでいたことを思い出します。でも幼稚園時代、どうやって遊んでいたかの記憶は、正直なところ、おぼろげです。

子どもたちが三々五々、「○○するもの、この指止まれ〜」と友達を集めて始まる伝承遊びを群れ遊びと呼びます。こうしたスタイルの遊びが子どもの発達にどういう影響を与えているか、調べてきました。群れ遊びには、子どもたちが集合する力(求心)と離散する力(遠心)があって、それらが絶妙のバランスで均衡を取りながら遊びが盛り上がる特徴があります。もし、離散する力(遠心)が強くなれば、それぞれが好き勝手に遊ぶことで、遊びは壊れて仲間たちはバラバラになってしまいます。反対に、集合する力(求心)が強すぎれば、強力なリーダーが登場して群れを統率してしまいます。でも、遊びが盛り上がって子どもたちが楽しそうに遊んでいるときは、遊びの中には必ず集合と離散、協力と対立が絶妙のバランスで存在しているのです。その中で、子どもたちは失敗と成功を学び、一人ひとりが自分の役割を見つけ、仲間と協力して問題を解決し、物事を改善する体験を積んでいきます。

子どもの成長を大樹に例えることがよくありますが、大樹の枝はその大地にある根より大きく広がることはないと言われます。幼児期の記憶はおぼろげでも、その時期に遊びの中で培った体験や能力は必ず後の人生の「根」となって皆さんの今を支えています。幼稚園時代に遊びを通した様々な経験で人間としての「根」を大きく広げて欲しい、そう願って群れ遊びを推奨しています。

長谷川 勝一 先生(美作大学・美作大学短期大学部副学長:社会福祉学科 教授)

写真:長谷川 勝一 先生

幼児期にしかない表現を大切に

20世紀最大の芸術家と言われるパブロ・ピカソは、晩年とある展覧会で子どもたちの描いた絵を前にして、こんなふうに呟いたそうです。
「この年頃(14,5歳)には、私はラファエロのように描くことができた。でも、子どものように描けるようになるには一生かかった。」

この言葉の通り、若くして天才的な写実力で他を圧倒したピカソの画風は、晩年には多視点で描かれたり、極端な拡張表現が見られたりと、まさに「子どものような」画風へと変容しています。

では、ピカソは子どもの絵のどんなところに憧れたのでしょうか。私は普段、絵画造形教室で子どもたちと関わっていますが、その答えは、子どもたちの表現活動の至る所で見つかる気がします。例えば、「見て、見て。」と、子どもたちは、自分の思いを誰かに一生懸命に伝えようとして表現します。また、日頃の生活や遊びが素直に絵の中に描かれ、時にはお話の絵の中にまでも自分自身が登場します。そして、発達の過程において、その時期にしか表れない特徴的な表現方法で、一人ひとりが個性豊かに表現します。

幼児期の表現活動を、上手い下手の物差しで見るのではなく、天才ピカソも憧れ続けたこの時期にしかない尊い表現として、是非共感的に受けとめて欲しいと思います。

中田 稔 先生(幼児教育学科長)

写真:中田 稔 先生

幼児の運動についての思い

運動遊びの指導で、いつも考えることは、10年後、20年後に「自分は頑張れば,きっとできる」と、自分自身を信じることできる子どもに育つ手助けができているかどうかです。

幼児期は、発育の差が影響する量的な(走る速さ、縄跳びの回数等)差を友達と比較せず、子ども一人ひとりの「できる」を大切したいのです。例えば、長縄跳びでは、友達と一緒に数回跳べたり、友達と跳び方を発明したりといろんな「できる」があります。子どもが試行錯誤しながら、工夫して頑張ると、結果として、必ず「できた」と子どもが感じるような指導が大切です。

平成30年の新しい幼稚園教育課程では、「非認知能力」が重視され、この能力は「学びに向かう姿勢」である意欲や興味、関心と粘り強く仲間と共に取り組む力のことです。幼児期のIQなど測定できる認知能力の土台であり、幼児期はその基礎の育成に大切な時期です。運動遊びでは大人の思う「上手」でなく、非認知能力の基礎を培う指導を行いたいと考えています。

松坂 仁美 先生(幼児教育学科 教授)

写真:松坂 仁美 先生

幼児の心身の発達についての思い

「幼児の心身の発達」について、いつも私の中心にあるものがあります。それは、“なぜ?”という問いです。例えば、“なぜ年少児が描く人物は頭から手足が出ているのだろう?”“なぜ年少の頃は1人あるいは1対1で他者と関わったりしていたのに、年長になると沢山の友だちとルールや勝ち負けのある高度な遊びをするようになるのだろう?”“なぜお父さん役の子はついさっき「(仕事に)行って来まーす」って言って出かけたのに、すぐ「ただいまー」って戻ってくるんだろう”などです。かつて私も同様に幼児期を経験し、同じような心身の発達過程を辿ってきたにもかかわらず、彼らの世界に対して不思議に思ったり驚いたりすることが多々あります。しかし、子どもたちが“なぜそうしたのか(するのか)”には何かしら意味があり、これらを紐解いていくことが子ども理解へと繋がり、延いては子育て支援や保育・教育に繋がっていくのだと思っています。

津々 清美 先生(児童学科 准教授)

写真:津々 清美 先生