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福祉の分野

社会福祉学科

[社会福祉士養成課程]

専攻科主催「Peace上映会&シンポジウム『共に生きる 〜今、私たちにできること〜』」開催(12/10)

2011年12月13日社会福祉学科

Peace上映会&シンポジウム『共に生きる 〜今、私たちにできること〜』


Peace上映会&シンポジウムの写真12月10日(土)、津山市の音楽文化ホール“ベルフォーレ津山”にて、「Peace上映会&シンポジウム『共に生きる 〜今、私たちにできること〜』」(美作大学短期大学部 専攻科 介護福祉専攻主催)が行われました。

この催しは、専攻科の卒業生や在学生だけでなく、津山市全域の福祉や医療の現場で活躍されている方々とともに、映画のテーマである「共存」について見識を深めることを目的として企画。
当日は約270名の方に参加いただきました。

はじめに


Peace上映会&シンポジウムの写真初めに本学短期大学部専攻科 科長 中田稔准教授のご挨拶です。

今年3月、東日本を襲った大震災は、未曾有の大災害となり2万人を超える死者と行方不明者をもたらしました。
こうした状況を伴い、さらに日本は他に類をみないスピードで高齢会を迎えています。
本学のある津山市も高齢化率24%を越える超高齢社会となりました。
しかし、このような社会を支える介護や福祉の人材不足や社会的な認知度の低さが今問題となっています。
それでも多くの人は「障がいをもつこと」や「年をとり介護が必要になること」、「死を迎えること」は、自分自身や身の回りに問題が起こらなければ、どこか他人事のように感じ、日頃関係なく過ごしているのではないでしょうか。

今回の映画の中で静かに織り成されるそれぞれの登場人物の「生き方」や、シンポジストにお招きしている先生方の歩んでこられた道のりに触れ、介護や福祉、医療の仕事の「利用者に寄り添い、共に生きる」ということを肌で感じていただき、そして、「共に生きること」「今、私たちにできること」を考える一助として心に残していただくことを願っています。


ドキュメンタリー映画「Peace」鑑賞会


この映画は、想田和弘監督による観察映画(リサーチや台本を排し、ナレーションや音楽を一切使わない独特のスタイル)です。

「想田監督の妻の実家に住みついた野良猫グループと、突如現れた泥棒猫。
この猫たちはどのようにして共存していくのだろう?と思った想田監督は、猫たちをはじめ、岡山で暮らす人々の何気ない日常にカメラを向けました。
“平和と共存へのヒントは、どこか遠くではなく自分たちの毎日の生活や足元にこそ潜んでいるのではないか。”と思ったからです。

91歳で一人暮らしをする橋本氏と、彼をボランティア同然でケアする柏木夫妻(義父母)。その夫婦自身にも迫る老い。
そして、己の死を見つめる橋本氏の脳裏に突然蘇った兵隊としての記憶―。

台本無しで彼らの人生に訪れる大切な瞬間に奇跡的に立ち会うこの映画は、戦争と平和、生と死、拒絶と和解、ユーモアと切なさが同居する「生の時間」を体感し、「共に生きる」ことの難しさと可能性に思いを巡らせます。」
(Peaceパンフレットより一部抜粋)

映画終了後には、想田監督から今回参加されたみなさんへ向けて、映画制作への思い等、たくさんのメッセージがビデオを通じて贈られました。


シンポジウム『共に生きる 〜今、私たちにできること〜』


シンポジウムでは、『共に生きる 〜今、私たちにできること〜』をテーマとし、3名のシンポジストの方にお話いただきました。
Peace上映会&シンポジウムの写真■シンポジスト
柏木 寿夫 氏
(映画主演・移動ネットおかやま理事)

松下 明氏
(奈義ファミリークリニック所長・指導医・後期研修プログラム責任者)

須江 裕子氏
(美作大学短期大学部専攻科教員)

■コーディネーター
堀川 涼子氏
(美作大学社会福祉学科准教授)


Peace上映会&シンポジウムの写真柏木氏は想田監督の義父であり、映画Peaceの主演をされています。
想田監督が撮影されたのは、岡山市内で福祉有償運送に携わる柏木氏と、訪問介護事業に取り組むNPO法人代表の義母廣子さん。

“福祉有償運送”というのは、電車やタクシーなど公共交通機関ではサービスが十分に受けられない要介護者らに対する移動支援サービスです。

「収入はほとんどガソリン代で消える」「ほとんど無償ボランティア」という現状と国の施策の不備、それでも“お金にはかえられないものがある”という柏木氏の思いや、今後の福祉・介護に求めるもの等をお話いただきました。
大切なのは、障がい者に“目を向ける”ということ。皆が目を向けるだけで、随分と地域は変わってくるのです。

また、定年を迎えた方に余力があれば福祉有償運送に携わってほしい、という思いを話されました。
(特別な資格は必要なく、運転免許さえあれば福祉有償運送に携わることができます。)


Peace上映会&シンポジウムの写真松下氏は長年地域医療の活性化に力を注ぎ続けておられます。

そんな中で感じることは、「医療行為だけでは病気は良くならない。映画の中の柏木氏の車による送迎(福祉有償運送)の途中に交わされる会話であったり、地域の人との繋がりであったり、人と人との触れ合い・コミュニケーションが最も大切。病院だけが頑張るのではなく、みんなで頑張っていかなければならない。」ということ。
さまざまなご経験を通して、“その人らしく生きていくということはどういうことなのか?”をお話いただきました。

Peace上映会&シンポジウムの写真須江氏は大学卒業後、障がい者支援施設や老人保健施設で介護福祉士・介護支援専門員として勤務され、現在本学専攻科介護福祉専攻の教員として、学生の指導をされています。

さまざまな現場経験でみた福祉の現状の厳しさや要介護者のご家族の気持ち、また、心が救われた一本の何気ない電話…人との触れ合いの温かさについて話されました。


Peace上映会&シンポジウムの写真最後にコーディネーターの堀川准教授より
『見えないことは無視につながり、関心は尊重につながる』(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい 湯浅誠氏の言葉を引用)というお話がありました。
映画を観ていると、押し車を押しているお年寄りや車いすに乗った人、目の不自由な人などがおられ、当然彼らは普段から街を歩いているのです。
そんな彼らが自分の視野に入ることで、街が変わって見えてきます。

「障がいがあってもなくても、皆が“自分らしく”生きられる世の中になるために、一人一人が関心を持ち、今自分にできることをしていきましょう」というメッセージを伝えられました。


私たちは、今まで以上に社会に求められる質の高い介護福祉士をめざしていきます。


本学専攻科介護福祉専攻は、平成14年に「保育士の資格を持った介護福祉士」の育成をはじめ、今年で10年目を迎えました。
今回の上映会&シンポジウムは、この節目の年に岡山県保健福祉部のご協力をいただき、福祉・介護人材確保緊急支援事業の一環として開催しました。
私たちは、映画やシンポジウムで知った現状や感じたことを活かし、今まで以上に社会に求められる質の高い介護福祉士をめざしていきます。

シンポジストの皆様方には貴重なお話をいただきありがとうございました。


午後は全体交流会(昼食会)を実施しました。


全体交流会の写真なお、この後は福祉の現場で活躍中の専攻科卒業生が集まり、“全体交流会(昼食会)”が実施されました。

卒業生同士の交流の場として繋がりを作る契機とすることを目的として実施されたこの会は、久しぶりに会う旧友や先生方とともに福祉の問題点や取組みについて意見を交わし、大変充実した時間となりました。


:-)

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