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学科トピックス

社会福祉学科4年ゼミ生、美咲町議員研修会で発表・提言

2021年10月19日 社会福祉学科

10月14日(木曜)、社会福祉学科 小坂田学科長ゼミ生の、福田美波さん(4年/岡山県林野高校出身)と三本そらさん(4年/高知県春野高校出身)が、美咲町議員研修会にて、美咲町議員14名に向けて、「ダブルケア」「ヤングケアラー」をテーマに発表と提言を行いました。

 

学生2名の写真

 

冒頭に松島啓議長より、「美咲町議会は17年目になりますが、現役の大学生をお招きしての研修会は初めてとなります。特に社会問題となっている今回のテーマについて、美咲町の現状を理解し、行政に施策提言できるようにしっかり勉強したいと思います。」と挨拶がありました。

 

福田さんは「ダブルケア」について、三本さんは「ヤングケアラー」について発表しました。

 

まず福田さんは、「ダブルケアとは、一人の人、一つの世帯が同時期に育児と介護の両方を行っている状態のことを表しており、そこに障がい児・者のケアも加わって『トリプルケア』という状態も存在します。ダブルケアが起こる要因として、少子高齢化の影響で、ケアを手伝ってくれる人の減少や『要介護者』が増加していること、家事・育児・介護の担い手が女性に偏っていること、また、『晩婚化』『晩産化』により子育て時期と親の介護時期が重なってしまうことなどがあげられます。」とダブルケアの概要や要因を説明し、「ダブルケアを行っている人は、頼れる人が周りにおらず、地域の中でのつながりが薄れ、『社会的孤立』になることが問題となっています。」と指摘しました。

 

発表する様子

 

次に三本さんは、「ヤングケアラーとは、家事や家族の世話、介護、感情面のサポート等を、本来大人が担うようなケア責任を、18歳未満の子どもが負ってしまっていることを表します」とヤングケアラーの概要を説明し、「厚労省・文科省が実施したヤングケアラーの実態調査では、中学2年生では17人に1人、全日制高校2年生では24人に1人という割合になっており、ヤングケアラーはクラスの中に1人か2人いることになります。家族のケアのため、勉強の時間や友人と遊ぶ時間がとれない、また、自分の時間が無くなる、睡眠時間が無くなる等の問題が起きています。」と実態や問題点などをあげました。そして、「ヤングケアラーの中には、学校にあまり行けていない人もおり、学業や進路などにも影響を与えています。」と指摘しました。

 

発表する様子

 

続いて2人は、「『社会的孤立』を起こし、活き活きとした生活を阻む『3つの壁』があります。家族の内情を知られたくないという気持ちや地域住民の自分には関係ないといった意識を指す『意識の壁』、介護保険サービスや障害福祉サービスなど、どのようなサービスがあるのか知らない状態を指す『情報の壁』、ヤングケアラーやダブルケアに対しての制度やサービスがない、複数の課題を一緒に支援できるサービスがないなどの状況を指す『制度・サービスの壁』があります。」と前置きし、「家族や親族からの支援、制度・サービスや専門職による支援、地域の福祉力や近所での助け合いなど、地域全体でダブルケア、ヤングケアラー世帯を支えることが必要です。」と訴えました。

 

発表する様子

 

最後に美咲町への提言として、

福田さんは「ケアラーが相談できる窓口を整備し、子ども、高齢者、障がいなどさまざまな機関が連携し合い、ダブルケア当事者に適切な支援ができるような仕組み作りが重要です。気軽に話ができる環境を作り、悩みを共有できる場所を整備してもらいたいです。」と述べ、

 

三本さんは「公的な支援として、SNSなども活用し、子どもたちが相談できる公的な専用窓口を設置する。また、地域住民等への理解促進のための講座やピアカウンセリングの実施も必要です。そして、町民、事業所、関係機関、教育関係機関の連携により、ヤングケアラーの理解から早期発見・対応に努め、社会的に孤立しないような地域づくり、将来の進路に影響を与えない支援体制の構築が必要です。」と述べ、重複した課題に対応するために、様々な分野が連携する仕組みである「包括的支援体制」の必要性を伝えました。

 

学科長が話す様子 卒業生が話す様子

 

発表後は、4グループに分かれ、それぞれに、福田さん、三本さん、小坂田学科長、本学卒業生で現在美咲町の社会福祉協議会で勤務している小林奈緒さんが入り、議員の方々と発表内容を踏まえたグループディスカッションを行いました。

グループディスカッションでも学生たちは物怖じせず、議員の方々からの質問に対して丁寧に答えていました。

 

 

 

  • 福田さんのコメント

学生が話す様子

「貴重な場で、議員の皆様に現代社会の課題を直接伝えることができてよかったです。発表内容について意見交換をしたことで、私たちにも刺激になりました。」

 

  • 三本さんのコメント

学生が話す様子

「今回は貴重な体験をさせて頂きました。これをきっかけに支援体制の見直しへとつながり、ヤングケアラーや、ダブルケアラーだけでなく、複合したニーズを持っている方が相談しやすい仕組みづくりにつながると嬉しいです。」

 

 

 

3.すべての人に健康と福祉を 住み続けられるまちづくりを

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