学科トピックス
~高校生が地方創生を考える「四校連携講座」~社会福祉学科武田英樹准教授が全体総括を務める
2021年08月16日 社会福祉学科
津山市内の県立4高校が連携して地域の課題や解決策を考える「地域創生学」が7月28日(水曜)から5日間の日程で行われ、津山高校、津山東高校、津山工業高校、津山商業高校の生徒34名が参加し、本学社会福祉学科の武田英樹准教授が、この講座全般のコーディネートや各グループ・全体への助言など、全体指導者を担当しました。
この連携講座は、地域と連携した多様な学習活動と成果の発表を通して、美作地域の「今」が抱える諸課題を発見する力を育み、発見した課題の解決に向けて行動できる様々な力を有した「将来の地域を担う人材」の育成を目指して行われる講座であり、今年で5回目の開催となりました。
生徒たちがフィールドワークなどを通じて設定テーマである「暮らしがいのある『まち』」を実現するための方策を考え、市に提言します。
この度は、「産業」「観光」「医療・福祉」「教育・人材育成」の4分野に分かれて2日間で関連施設や企業などを取材し、まとめた内容や考察を8月3日(火曜)に市の職員らに向けて発表しました。
「産業」分野では、㈱マルイや津山商工会議所などで実施したフィールドワークより、「企業の衰退と地域の衰退は連携している」「異業種交流によって発想や着眼点が見つかる」などと述べ、地域と企業そして、高校生との繋がりの薄さを指摘しました。
高校生が地域産業に貢献できる交流の場を作り、津山市の発展につなげたいと、「MOT(Meeting Of Tsuyama)」と名付け、津山市の企業と地域課題について意見交換し、高校に持ち帰り解決策を策定する仕組みなどを発表しました。
「観光」分野では、新型コロナウイルス感染拡大で「観光客を呼び込むより、まずは地域を活性化するべき」と述べ、住民や新たに事業を始めたい人、高校生らの連携を訴え、「みんなのTERAKOYA」と題し、高校生がお寺を会場に小中学生の学習補助を行う取り組みを考案しました。
その他のグループからも様々な方策が発表され、高校生たちは活き活きと発表を行っていました。
今回高校生が考案した提言は、10月下旬に津山市長に提出する予定です。
講評では、全体指導者の武田准教授は、「市に提案をするだけではなく自分にできることもしっかり考えており、提案する内容もとてもブラッシュアップされ、具体的に説得力のある根拠が提示されていたように思います。
発表では質問への応答力も素晴らしく、高校生ならではの発想やネーミングなどには惹きつけられるものがありました。また、全体の発表を聞く中で、このコロナ禍において薄れていっている、『人と人とのつながり』の大切さに気付いたのではないかと思います。」
と前置きし、それぞれの分野の発表に対して一つ一つに具体的なアドバイスをしました。
最後に、「この度の貴重な経験は、色々な人の関わりがあったからこそできたものだということを感じてもらいたいです。そしてこの講座を通じて、人と協力して何かを生み出すことや誰かに協力してもらう事の大切さに気付いてもらえたら嬉しく思います。人と人が協力して作り上げることの素晴らしさを改めて感じ、残りの高校生活に活かしてもらえたらと思います。」とメッセージを贈りました。