大学院

人間発達学専攻

[修士課程]

地域社会に貢献できる高度な専門的職業人の育成を目指す

子どもの健全な成長に関心がある人のために、教育学や心理学の研究と学習を行うことを目的とし、
専門分野の高度な教育研究を通して、社会の発展に寄与することのできる高度な専門的職業人の育成を目的としています。

特徴・特色

人間発達学専攻では、第一に幼児・児童の健全な発達を求める社会の要請が急速に高まっていることを踏まえ、「幼児・児童の心理・発達のメカニズム」の解明・把握と、「発達の支援方法」のあり方に関わる教育研究分野として「発達支援」分野を設定し、第二には、学校社会における望ましい人間関係、学力保証の社会的要請を踏まえ、「生徒指導・生徒支援」及び「教育方法、教育課程開発」に関わる教育研究分野として「学校・教育課程開発」分野を設定しています。

「発達支援」分野

幼児・児童の発達課程とその支援策について多面的、実践的、かつ体系的に研究します。

本分野は、発達心理学、神経心理学、認知心理学などの授業科目により、「幼児・児童の心理・発達のメカニズム」の解明・把握、その基礎の上に発達支援などの授業科目により、実践的な「発達支援」のあり方・方法の教育研究をめざしています。
修了後の進路については、発達支援分野そして学校・教育課程開発分野共に、幼稚園及び小学校教諭の専修免許の取得が可能ですので、それぞれの教員としての就職、また、児童相談所の相談員などの進路があります。

「学校・教育課程開発」分野

多様化する諸問題に向き合う確かな理論と実践力が求められる学校社会の“今”を探ります。

本分野は、学校社会心理学、生徒指導・生活指導、教育臨床などの授業科目により、学校社会における「望ましい人間関係」、「生徒指導・生徒支援」の教育研究、そして、教育課程開発、教育方法学、学習心理学、教科教育学などの授業科目により、「教育方法、教育課程開発」の教育研究を目的とした分野から構成されています。本分野では、地域の現職教諭の受入れを積極的に行い、本研究科での教育研究により教育能力の向上を図り、地域社会の教育力の向上に貢献することとしています。
修了後の進路については、発達支援分野そして学校・教育課程開発分野共に、幼稚園及び小学校教諭の専修免許の取得が可能ですので、それぞれの教員としての就職、また、児童相談所の相談員などの進路があります。

Job & Course 就職・進路

取得可能な免許状

幼稚園教諭専修免許の取得について

「発達支援」分野、「学校・教育課程開発」分野共に、幼稚園教諭一種免許取得の人、または取得資格を有する人は、幼稚園教諭専修免許の教職関係の科目として指定した科目から 24 単位以上を修得すれば、幼稚園教諭専修免許が取得できます。

小学校教諭専修免許の取得について

「発達支援」分野、「学校・教育課程開発」分野共に、小学校教諭一種免許取得の人、または取得資格を有する人は、小学校教諭専修免許の教職関係の科目として指定した科目から24単位以上を修得すれば、小学校教諭専修免許が取得できます。

修士課程修了後の進路

「発達支援」分野の修了者については、保育所等福祉施設の保育指導員、児童相談所の相談指導員、家庭児童相談指導員、児童自立相談指導員などの進路が考えられます。また、他大学大学院博士後期課程へ進学することも、修士課程修了後の進路の一つになります。
「学校・教育課程開発」分野の修了者については、小学校や幼稚園への専修免許を有する教員としての就職が考えられます。また、他大学大学院博士後期課程へ進学することも、修士課程修了後の進路の一つになります。

Curriculum カリキュラム

発達支援分野

  • 心理学研究法
  • 発達心理学特論
  • 発達行動学特論
  • 神経心理学特論
  • 認知心理学特論
  • 発達支援特論
  • 臨床心理学特論
  • 身体運動発達演習
  • 児童福祉特論

学校・教育課程開発分野

  • 教育思想特論
  • 学習心理学特論
  • 教育臨床研究
  • 学校社会心理学特論
  • 特別支援教育特論
  • 生徒指導・生活指導特論
  • 教育課程開発特論
  • 教育方法学特論
  • 教科教育学特論Ⅰ
  • 教科教育学特論Ⅱ
  • 教育工学特論
  • 児童文学特論
  • 音楽教育学特論
  • 造形表現特論

両分野共通

  • インターンシップⅠ
  • インターンシップⅡ
  • 特別研究

Educational Policy 教育方針

研究科長からのメッセージ

人間発達学研究科、子どもの健全な成長に関心がある人のために、教育学や心理学の研究と学習を行うことを目的としています。これまでの修士号学位取得者には、地域の小学校教諭もおられます。このように本学は社会の要請にこたえようとしてきました。
本学の生活科学部児童学科は、昭和56年の学科設置以来幼稚園教諭と小学校教諭の養成、そして平成15年からは保育士の養成にも取り組み、教育力の向上と子育て・発達支援の分野で優れた人材を育成し、地域社会に貢献してきています。
しかし、現在、地域社会や家庭の急激な変化、価値観の多様化の中で、とりわけ保育・教育の分野では深刻な問題が生じており、これらの課題に適切に対処できる、優れた見識・知見と実践力を備えた指導的な役割を担える人材の育成が急務となっています。
本大学院では、このような課題意識の下に、「人間発達学研究科人間発達学専攻」(修士課程)において、保育・子育て支援そして教育の分野の教育研究を通じて、地域社会に貢献できる高度な専門的職業人の育成を目指しています。
本大学院は、専門分野の高度な教育研究を通して、社会の発展に寄与することのできる高度な専門的職業人の育成を目的としています。従って、自らの能力を一層高め、それをもって地域社会に貢献しようとする熱意あふれる学部卒業生は勿論ですが、小学校や幼稚園更には保育所等の福祉施設に勤務の社会人の方々の入学を特に期待しています。

研究科長 妻藤 真彦

ディプロマ・ポリシー

人間発達学専攻は、心理・発達のメカニズムの解明や発達の支援のための優れた実践力を備え、また、生徒指導や教育方法・教育課程開発に関し高度な知見と見識を備え、それぞれの分野で活躍できる高度な専門的職業人の養成を目指す。従って、本専攻では次の能力を身に付け、かつ学則及び学位規程に定める修了要件を充たした者に修了を認定し、学位を授与する。

  • 心理・発達のメカニズムについての清深な学識と発達支援の実践的力量
  • 生徒指導・生活指導や教育方法・教育課程開発に関し高度な知見と見識
  • 発達支援や教育上の諸課題の解明のための専門性や研究能力

アドミッション・ポリシー

  • 子どもの健全な成長に強い関心があり、教育学や心理学の分野についての教育研究を希望する人
  • 心理学についての幅広い専門基礎的知見を有し、子どもの心理・発達のメカニズムの研究をベースに、発達支援の実践的力量を身に付けたい人
  • 教育学や学校教育についての幅広い専門基礎的知見を有し、生徒指導・支援の実践的教育研究と教授法や教育課程開発の理論的教育研究を通じ、教育の現場において指導的な力量を身に付けたい人

カリキュラム・ポリシー

本大学院は、研究科・専攻毎に定める教育目標及び人材養成の目的達成のため、各専門分野毎の清深な専門的学識修得のための科目、高度な専門職として必要な実践的技能や応用的能力修得のための科目、課題の解決へ向けた研究遂行能力を涵養するための科目により教育課程を編成している。
人間発達学専攻では、教育目標及び人材養成の目的達成のため、分野毎に以下のような教育課程を編成している。

発達支援分野

  • 研究法や基礎理論、発達に関する幅広い知識や課題に関する専門基礎科目
  • 支援の方法に関する発達支援特論や認知心理学特論等の専門科目
  • 専門基礎科目や専門科目で学んだことを統合し、自らの課題意識に即して研究を遂行する能力の育成を目的とした特別研究と修士論文

学校・教育課程開発分野

  • 教育の基礎理論や教育に関する幅広い知識や課題に関する専門基礎科目
  • 学校現場が抱える複雑化・多様化している課題を踏まえ、教育臨床研究や生徒指導・生活指導に関する科目や教育課程・方法の研究に関する専門科目
  • 専門基礎科目や専門科目で学んだことを統合し、自らの課題意識に即して研究を遂行する能力の育成を目的とした特別研究と修士論文又は特定課題研究

Teacher Introduction 教員の紹介

研究科委員会構成教員の研究テーマおよび最近の業績

所属 氏名 研究テーマ
人間発達学研究科専任教授 妻藤 真彦 しばらくの間、「確信を持つこと」を研究テーマにしている。その題材として記憶・学習・社会的態度について、確信度の理論的・実験的検討を行ってきた。最近は並行して質問紙への回答について、その認知過程の研究も始めた。その他に、同異判断過程、意識に関する理論の検討、知覚的構えとプライミングなどの研究もある。
人間発達学研究科専任教授 森本 太郎 専門研究領域は、彫刻である。現在の研究課題は、素材として「木」を用いる中で、現代における彫刻の量塊と空間との調和を図っていくことである。
彫刻は絵画とは違い、高さ、幅、奥行きがある 3次元の芸術である。彫刻を一つの量(かたまり)と考えた場合、量の外は常に空間である。彫刻の制作に際しては、常に空間と量塊(量の持つヴォリューム)とのバランスや調和を図っていくことが求められる。
人間発達学研究科専任教授 遠藤 健治 専門分野は日本教育史であり、近代日本における小学校教員養成史、検定制度史を研究テーマとしている。これまでは岡山県における私設小学校教員養成所を、現在は京都府における私立小学校教員検定認定校を事例として、従来先行研究が目を向けることのなかった私立学校が、小学校教員検定制度により、小学校教員養成にいかなる役割を果したのかを解明しようとしている。
人間発達学研究科専任教授 渡邉 淳一 専門分野は教育実践学。学校現場の役に立つ実践者かつ研究者であり続けることを自己課題としている。公立中学校教員、教育センター指導主事、教職大学院准教授、スクールカウンセラーなどのキャリアを活用し、生徒指導、教育相談、学校カウンセリングにかかわる諸課題について実践的な研究を行っている。特に、学校におけるアンガー・マネージメントに強い関心を持ち、児童生徒の‘キレる’現象の理解と対応について、教員を対象とした研修会を重ねてきている。最近では、若手教員の生徒指導力の高度化について、その方法の実践開発に課題意識を持って取り組んでいる。
人間発達学研究科専任教授 安田 純 専門分野は発達心理学、特に発達支援における心理学行動学的アプローチである。発達障害児に対する効果的な支援の方策をTEACCHプログラムやソーシャルスキルトレーニングに基づき検討している。あわせて、LD等、発達障害の出現率が高いとされる超低出生体重児を対象として、彼らが学齢期に達した時期に心理検査、行動観察を実施し、彼らの心理的、行動的発達を明らかにしている。
また、保育園等において定型発達児の行動の発達、社会的関係の発達を行動観察によって検討している。
人間発達学研究科専任教授 多田 昌美 専門分野は英語圏の児童文学。主に動物ファンタジーの歴史を研究している。博士論文では18世紀英国児童文学の主要作品であるMrs. Trimmer 作 Fabulous Historiesを取り上げ、当該作品中に見られる動物の擬人化の先駆性を論じた。その後19世紀前半、19世紀中盤と研究を進め、20世紀初頭の動物ファンタジーにつながる流れの解明に向けて、作品中の動物の子どもとしての擬人化等に関する検討と考察を続けている。また、19世紀に多数の児童書を出版したReligious Tract Societyの出版物に関するプロジェクト研究にも参加している。
人間発達学研究科准教授 蜂谷 俊隆 社会福祉分野を研究対象として、社会調査と歴史研究の方法でアプローチしています。福祉の取り組みにおいては、目の前の課題に対して、可能な限りの資源を動員して即時的に対応するアクション性が求められます。そして、そこでは冷静で合理的な判断だけでなく、「困難な状況にある人をほっておけない」という正義感や、不公正な事項に対して義憤に駆られるといった主体的な動機が、実践を後押しするエネルギーとなります。しかしながら、そのような正義感や義憤は、自らの正当性の主張にも安易につながりやすく、謙虚さを失った誇示や、他者に対する否定的、あるいは攻撃的な態度をもたらす危険をはらんでいます。そして、それは「誰のために」「何のために」支援するのかといった問題の本質を見失わせて、本来のニーズを取りこぼしたり、福祉問題に対する理解の拡がりを阻害したりすることにもつながりかねません。それゆえ、福祉の実践者には、ニーズを敏感に感じ取るセンス(感性)や着実に実践を前進させる態度が保持できているかなど、常に反省的に問うていく姿勢が不可欠です。私は、現在の福祉課題や地域課題の解決に向けた方策を検討するとともに、先輩の実践者の事績(もちろん失敗も含めて)や思想・エートスに学びながら、社会福祉実践の基盤としての教養(art)の意味についても考えていきたいと思います。
人間発達学研究科専任講師 岡村 健太 専門分野は教育哲学。20世紀前半を中心にアメリカで活躍した哲学者・社会心理学者であるG.H.ミードの社会的自我論を教育学に援用する研究を行っている。ミードは教育学者ではないが、その自我論は他者との関わりやコミュニケーションを重視しており、教育活動との関わりが深い。またミードの理論は教育哲学者であるJ.デューイとの親和性が論じられており、デューイの教育哲学を相互補完する形でのミード研究も行っている。具体的にミードの自我論を教育に活かす研究としては、問題解決学習・学級経営・道徳教育等を中心に、子どもへの支援のあり方について考察している。
人間発達学研究科専任講師 津々 清美 専門分野は発達心理学である。乳児期から児童期の発達について、平等性や公正性、互恵性などの道徳性や社会性に関する研究分野に関心がある。研究テーマは、“幼児の報酬分配における公正判断について”である。幼児の公正判断やこの判断処理過程などについて、実験法を用いて理論的検討を行っている。