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食の分野

栄養学科

[栄養士養成課程]

「栄養士は光ってなきゃ」暮らしを支える先輩 短大家政科卒業の土居さんのお話(前編)

2014年01月29日栄養学科

「栄養士は光ってなきゃ」暮らしを支える先輩 短大家政科卒業の土居さんのお話(前編)


栄養士は光ってなきゃ

このことばがインパクトあり、たいへん素敵でした。
お話は、昨年秋に厚生労働大臣表彰を受賞した美作短期大学家政科(食物課程、栄養士課程)を昭和40年3月に卒業された土居 匡子さんです。土居さんに当時のお話を聞かせていただきました。ありがとうございます。


大学の思い出と、仕事の思い出と、つながる栄養士としての思い

土居さんの写真
土居さんには、美作大学・美作大学短期大学部の現在の姿を見ていただきたく美作大学にお越しいただき、学内の見学を兼ねてお話を頂きました。

しかしながら、当時の美作大学短期大学部は、現在の美作高校の敷地にあり(津山市山北)、高校と併設して短大がありました。また、4年制大学は土居さんの卒業より遅れて2年後に開学しています。

当時より大きくなた大学をみて、うれしく思いますと笑顔でお話くださいました。

記事ではお話を、大学時代、津山高専勤務時代、そして栄養士としての思い、の3つに分けまとめました。


美作短期大学の思い出

昭和40年頃の校舎の写真
土居さんは津山高校を卒業後、専門の知識を身につけようと、迷わず美作大学(当時は美作短期大学)を選んだそうです。
服飾科と家政科を擁していた美作短大は専門職の人材を育てる大学として昔から変わっていないそうです。

そのときは校舎が高校と併設していたため、少し肩身のせまい感じがしていたそうです。
さて入学したものの、入ってからとても大変だったそうです。授業、実験、実習、課題レポートと休みが全くとれないような感じだったそうです。
先生も厳しかったといいますが、その中でもあたらしいことを学べたり、友だちと一緒に過ごす時間がとても楽しく、充実していたとお話いただきました。
ここでお世話になった先生や友だちは、のち就職してからも栄養士として働く上でとても助けられ、心の支えにもなったといいます。とても感謝していますとのことでした。

大学のイベントごとに食事、ディナーを作ったりするのも学科の先生や学生が行うことがあったそうです。みんながひとつになった、そのようなことを感じる短大の時間過ごしていく中で、土居さんは栄養士になる気持ちを強くしていきました。

そして2年生の卒業年次にタイミングを合わせ、津山高等工業専門学校の学生寮の栄養士のお話があり、先生に勧められたそうです。


津山高専の学生寮で栄養指導に39年間従事


高専の校章の写真
昭和40年、津山工業高等専門学校は開学2年目で、現在の校舎がある津山市沼の高台を切り開き校舎を増設しつつあるところでした。学生寮も新しく出来、そこに栄養士の人材として、土居さんは勤務しました。

学生寮での食事、栄養指導は大変でしたがとても重要だと認識していました。
中学を出て実家から初めて出たばかりの「子ども」を預かることから規則正しい栄養バランスの取れた食事を提供することの大切さを感じていましたし、また逆に、二十歳を越えた「大人」の学生も居ることから、工夫に工夫を重ねる必要があったそうです。

当時は周辺に何も無かった時代、今と比べてどうでしたか、の質問に、「当時は食品を売っているお店、食べるところが周辺になく、寮生は寮や学食で食べるしかなかった」と教えてくれました。男の子は常におなかをすかして、ひじきや切干大根なども残さず食べてくれたそうです。それが町としてひらけてくるとともに、外食できるところ、コンビニ、アルバイトなどで生活が不規則になってきて、食事を残す学生も出てきてなにかと苦慮することが出てきたそうです。

39年間。今や人数も増え、大所帯となった学生寮。移り行く時代の流れの中で土居さんは数え切れないほどの学生たちの育ちを栄養面から支えてきてくれました。津山高専での母親でした。


栄養士のステータス

当時の調理実習の写真(参考)
高専の学生寮での食事のメニューを作るときには、調理員さん方と話し合いをして決めていきます。当時は仕事に就いたばかりで調理員の方々の方が年配。その中で土居さんは「若いからといってなめられてたまるか」と思ったそうです。

栄養士という専門職として就いたのだから、栄養士としてのステータスを持たないといけない。そう思い、月1回以上は必ず栄養に関するあたらしい情報や知識をみなさんに伝えるようにしたそうです。
そのために卒業してからも勉強が必要でしたし、実務経験を経て受験し管理栄養士の資格も取得しました。

重要な役割をもつ栄養士だからこそ、話の内容の説得力や指導力のあるステータスも高める努力をしたそうです。

ただそれでも栄養士としてのあたらしい知識をひとりで学び身に付けていくには無理があります。

そこでたすけてもらったのが「栄養士会」でした。

(前編おわり。後編につづく)

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